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一般国道220号(東九州自動車道)日南・志布志道路の概要
沓掛孝

キーワード:東九州自動車道、新規事業化、整備効果

1.東九州自動車道の概要
東九州自動車道は、北九州市を起点とし、大分市、宮崎市を経由して鹿児島市に至る延長436キロの高規格幹線道路である。
今年4月に椎田南~豊前が開通し、北九州市から宮崎市までが高速道路で結ばれ、鹿児島県内の開通区間とあわせて全体計画の約8割が開通した。

2. 一般国道220号(東九州自動車道)日南・志布志道路の概要
日南~志布志は、平成25年5月より計画段階評価に着手し、平成26年5月九州地方小委員会で対応方針(案)を決定。平成27年度より都市計画手続きに着手し、平成28年1月に日南~志布志を都市計画決定。平成28年度、日南IC~油津IC間(3.2キロ)、夏井IC~志布志IC間(3.7キロ)において事業化した。
◇起点・終点
日南区間:宮崎県日南市大字東弁分乙~平野
志布志区間:鹿児島県志布志市大字志布志町帖~志布志町志布志
◇延 長 等:6.9㎞(日南区間 3.2㎞)(志布志区間 3.7㎞)
◇全体事業費:約225億円
◇計画交通量:約5,300 ~ 13,700 台/日

3.日南・志布志道路の課題と整備効果
①主要観光地間のアクセス改善
宮崎県内の東九州自動車道は、大分県境~宮崎市までが平成25年度につながり、県全体の観光客は増加傾向である。県内地域には、鵜戸神宮等の著名な観光地が存在するが、高速道路空白地域のため、地域の観光客数は伸び悩んでいる状況である。
一方、油津港への観光クルーズ船寄港実績が近年増加し、寄港時の周辺観光へのニーズが高まっている。

観光地間の速達性向上により、周遊観光が増加し、観光経済の活性化が期待できる。
イルカランド~宮崎神宮の所要時間
現況:117 分 → 整備後:99分(18分短縮)
広域観光ルートの形成に際して、東九州自動車道の延伸も含めた、南九州や東九州、さらには九州一体となった取組を行う。【「未来みやざき創造プラン」より】

②志布志港を結ぶ物流活動における支障
志布志港は、8つの国内外定期航路が就航し、東九州自動車道の延伸等に伴い原木輸出量が増加、飼料用とうもろこし輸入量が全国2位の物流拠点である。
志布志港と各地域までの間は、現道の国道220号を利用して飼料等を輸送しているが、輸送に不適な勾配・線形箇所による走行性や、輸送車両の市街地通過が課題となっている。
志布志市街地や道路構造に課題のある箇所を一部回避する志布志港との輸送ルート形成により、走行性を向上し、経済活動を支援するとともに、市街地の生活環境を改善する。
縦断線形不良箇所・屈曲箇所:2箇所削減
志布志港~宮崎市:20分短縮

③線形不良等による円滑・安全な走行環境の阻害
並行する国道220号では、線形不良・屈曲箇所が全体にわたり存在し、日南・志布志市街地で交通死傷事故率が高く、死亡事故発生箇所も存在している。

線形不良箇所や死傷事故率の高い箇所を回避し、安全で円滑な走行環境を形成する。
国道220号の死傷事故率
日南区間:現況113.6 件/ 億台キロ→整備後 46.1 件/ 億台キロ
志布志区間:現況161.9 件/ 億台キロ→整備後97.3 件/ 億台キロ

4.おわりに
今回の新規事業化について、宮崎県をはじめ日南市、串間市で多くの方にお祝いいただいた。
県庁横宮崎物産館KONNE及び市内中心部デパートには、4月1日予算成立と同時に懸垂幕が披露された。
また、日南市役所では、正面玄関前で市職員や市議会議員、宮崎日南生活ロード女性の会のメンバーなど150人を超える市民の方にお集まりいただき、くす玉割り、懸垂幕披露された。懸垂幕披露の際には、割れんばかりの拍手が起こり、万歳三唱で新規事業化を喜んでいただいた。﨑田恭平市長は「日南から志布志までつながってこその東九州自動車道。経済を活性化し、次の世代が自信をもって生きていけるインフラ整備を目指して頑張りましょう。この感謝と決意を皆さんと共有したい」とあいさつされた。
串間市役所でも正面玄関前でくす玉開披式を開催。出席した議員、市職員をはじめ、商工会議所、農協、漁協関係者など約100 人に事業化をお祝いいただいた。
日南・志布志道路(日南~油津、夏井~志布志)は、今後、測量、地質調査などを進め一日も早い開通に向け取り組む所存である。

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