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大分川ダムの試験湛水について
杉田聡

キーワード:ロックフィルダム、試験湛水

1.はじめに
大分川ダムは、大分川水系七瀬川本川合流点より上流約21㎞の大分県大分市大字下原地先に建設中の、洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水の確保を目的とした多目的ダムです。

大分川ダムの形式は本ダムとしては九州地方整備局初の中央コア型のロックフィルダムで、洪水調節は自然調節方式(大雨によりダム貯水位が放流口まで上昇すると洪水吐きから自然に水が流れ出す方式)を採用しています。完成予想写真とダム諸元については、写真-1と図-2のとおりです。

2.ダムの進捗状況
大分川ダムは平成31 年度中の完成に向け、平成27 年9 月からダム本体盛立を開始し、平成29 年5 月末に約390 万.の盛立が完了しました(写真- 2)。

なお、大分川ダムの施工上特筆する部分としては、ダム本体盛立の施工において、鹿島・竹中土木・三井住友特定建設工事共同企業体がICT を活用した施工を行いました。その代表例としてダム本体の締固めに使用する振動ローラーにGNSS 受信機を搭載し現在位置の座標値を把握することにより盛土の転圧回数を管理するシステムです。
この管理システムでは盛立て面を予め管理ブロック(メッシュ)に分割することでブロック毎の転圧回数を表示・記録することができます。その際オペレータは操作室内のモニターをリアルタイムに確認しながら運転することが可能となります(写真- 3)。

盛立て完了後は洪水吐きのコンクリート打設、基礎処理工事、選択取水設備工事等も完了させ、平成30 年2 月17 日には国会議員、大分県知事、大分市長、地元関係者等の皆様のご出席を賜り、大分川ダム湛水式を執り行い(写真- 4)、平成30年2 月20 日より試験湛水を開始したところです。

3.大分川ダムの試験湛水計画
試験湛水は、通常の管理に移行する前に、サーチャージ水位以下の範囲内で、貯水位を上昇及び下降させ、ダム本体、基礎地盤及び貯水池周辺地山の安全性を確認することを目的としており、試験湛水中は毎日事務所職員が交代で監査廊内の浸透量、浸透圧等の計測並びに貯水池周辺の地山に異常、地すべり等がないか巡視・点検を実施しています(写真- 5、6)。

また、夜間は有事に備え、毎日事務所職員が交代で宿直を実施している状況です。
大分川ダムの試験湛水計画は、ダム地点の近年10 ヶ年の実績流況に基づき、試験湛水シミュレーションを行い、5 番目の流況(平水年)で試験湛水を計画しており、試験湛水計画(緑線)と6 月12 日までの実績(赤線)を重ねたグラフが図- 3 になります。

また、試験湛水中の6 月11 日から10 月20日までは洪水期に設定されており、洪水期間中はダムが治水計画上設定された洪水調節容量を確保すべく、常時満水位を超える常時貯留を行ってはいけない事となっております。
そのため、洪水期はダムが本来持つ洪水処理機能を十分に発揮させ、下流河川の洪水被害軽減のための防災対応を行う所存であります。
その後、洪水期終了後の10 月21 日からダム最高水位(サーチャージ水位)まで徐々に水を貯め、貯めた水を一度最低水位まで低下させ試験湛水終了(平成31 年5 月29 日予定)となります。
写真- 7 ~ 9 が平成30 年5 月末時点の湛水状況となります。

4.おわりに
大分川ダムでは、地域の方々に大分川ダム事業への理解と関心をもって頂くだけではなく、地域から愛されるダムになって欲しいと願っています。さらに今後は、大分川ダムが地域振興の核となって水源地域の活性化の中心的役割を果たすよう地元や関係機関等と連携し職員一丸となって頑張って参ります。

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