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吉野ヶ里歴史公園の最近の取組み
~「子育てし大 “ 券 ”」事業~

野田利美

キーワード:都市公園、子育て支援、管理運営

1.はじめに
吉野ヶ里歴史公園は、我が国固有の優れた文化的資産である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るための国営公園と、国営公園と一体となって遺跡の環境保全と公園機能の充実を図る県立公園で構成する広域公園です。当初は平成 13年4月に約 49ha の面積で開園し、現在の開園面積は約104ha となっています。平成 30 年度の入園者数は 77 万人を超え、開園以来 2 年連続で過去最高を記録しました。そこで、当公園の最近の取組みについて紹介します。

2.吉野ヶ里遺跡と公園整備について
吉野ヶ里遺跡は、昭和 61 年に工業団地開発のための文化財調査が開始され、平成元年に日本最大規模の環濠集落であることが判明。日本の「クニ」の始まりと弥生人の生活を典型的に示す遺跡として「邪馬台国」論争に一石を投じることとなり、全国に “ 吉野ヶ里フィーバー ” を巻き起こすこととなりました。
平成 3 年には環濠集落の発見から 2 年余りという異例の早さで国の特別史跡に指定され、さらに平成 4 年には、吉野ヶ里遺跡の国営公園化が閣議決定され、平成 5 年に吉野ヶ里歴史公園(広域公園)として 117.3ha が都市計画決定されました。
その後平成 5 年から 6 年にかけて、国営公園54ha と県立公園 63ha について事業認可及び事業承認を受け、「弥生人の声が聞こえる」をテーマに、吉野ヶ里遺跡の保存を通じての本物へのこだわりと、忠実な施設の復元や分かりやすい手触りの展示などの遺跡の活用を通じて、弥生時代を体感できる場を創出することとし、もって日本はもとより、世界への情報発信の拠点とすることを基本理念として、公園整備が始まりました。
国営公園は、吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るため、特別史跡区域と県史跡区域を含む区域に、環濠や竪穴式住居、物見やぐら、北内郭、北墳丘墓など多くの復元建物が整備されており、一部の区域を残して整備は概成し、現在は施設の長寿命化や強靭化が図られています。

県立公園は、国営公園と一体となって、遺跡の環境保全及び歴史公園としての機能の充実を図るため、国営公園の周囲に大芝生広場や水田、池などを配置して、大型複合遊具、ディスクゴルフやグラウンドゴルフコース、野外炊事コーナーなどのレクレーション機能を充実する整備を行っており、現在は未開園区域の整備推進と施設の長寿命化や施設の充実を図っています。

各復元建物内の見学や物見やぐらへ上ると弥生時代の風景がよみがえります。勾玉づくりや火おこし、組ひもや布づくりなどの弥生時代のくらし体験、ふわふわドームや大型複合遊具には修学旅行や家族旅行、遺跡ファンをはじめとする多くの来園者で賑わっています。

3.公園の管理運営について
公園の施設管理は、国営区域と県立区域で国と県がそれぞれ管理を行っていますが、運営については、国営区域と県立区域が一体となって運営しています。
毎月、国営公園事務所にて、国と県、各指定管理者、地元の神埼市と吉野ヶ里町の関係課が集まって管理運営連絡会議を開催し、行事報告と翌月の行事予定、利用状況や利用者の声(ご意見箱)などを議題とし、広報面や運営面の工夫、利用者からのご意見箱にあった気づき点の対応など議論し、管理運営の改善につなげて関係者の連携を図っています。

4.「子育てし大 “ 券 ”」事業について
佐賀県では、平成 28 年度より吉野ヶ里歴史公園が持つ「広場や遊び場などのレクリエーション空間」としての魅力を伝えるため、中学生以下のお子様連れの方々を対象とした招待券「子育てし大 (たい)“券(けん)”」の配布や年間パスポートの半額キャンペーンなど子育て世代への支援を行っています。
招待券は春(4 月、5 月)と秋(9 月~ 11 月) の期間限定でリーフレット配布や LINE や公園情報誌(ひみか通信)、県広報誌、新聞、フリー雑誌にも掲載するなど広報を行っています。
年間パスポートは、入園料と駐車料が 1 年間無料、他の国営公園の入園料も無料となり利用者から好評です。
平成 30 年 4 月からは子ども料金を無料化、招待券の配布エリアを県内と福岡都市圏から、公園へ1 時間半程度の移動距離の隣県エリアまで拡大。
この他、利用者アンケートなどを参考に、キャンプイベントの開催や、地域連携型イベントを充実した結果、招待券の利用者は平成 28 年度当初の 1.6 万人から平成 30 年度は 5.8 万人と増加し、2 年連続で過去最高の入園者数に貢献しました。
今年度は新たな取組として、公園の花や緑に親しみ、花を育てる機会を通じ、やさしさと美しさを感じる気持ちを育むなど情操教育の場としての
「花育」イベントに取り組んでいます。
「花育」イベントは園内の花壇で、種まきや苗植えから、間引きや草取りなどの管理、鑑賞会やリースづくりなどを開催し、親子や友だちなどのグループ、個人で参加されています。
「花育」を通じて公園の新たな魅力アップと、定着した利用促進になることを期待しています。

5.おわりに
今後も更なる利用促進を図るため、子育て支援に加え、国土強靭化や長寿命化などによる施設の充実にも取り組んでいくこととしておりますので、是非とも吉野ヶ里歴史公園へご来園ください。

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