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’97吹上浜砂の祭典における「さぼうランド」出展

建設省 雲仙復興工事事務所
 調査課長
坂 山 敏 二

1 はじめに
「吹上浜砂の祭典」は,日本三大砂丘のひとつである「吹上浜」の広大な砂丘をベースに,砂像を中心としたイベントであり,昭和62年から始まり近年では毎年10万人近くの入場者を迎える大イベントとなっています。会場となる鹿児島県加世田市の吹上浜では,約4万m2に及ぶ会場に大小さまざまな砂像約60基が制作されます。これまでの砂像の最大記録は,平成元年に制作された砂の城で高さ17.12mで,砂像世界一(高さ)と,してギネスブックにも登録されており,世界的にも有名なイベントとなっています。また,この祭典はイベントの開催による地域の活性化とともに,地球の環境保全をアピールし人間と自然の調和を図ることも目的とされおり,開催にあたっては自然保護に配慮された運営がなされています。
この祭典への出典にあたって建設省では,山間部では土石流等の土砂災害を起こす「土砂」の,最終到達点である海岸で行われる「砂の祭典」において,砂防事業の重要性を広報するための貴重な機会としてとらえ,平成8年度より「吹上浜さぼうランド」を出展しており,本年は「雲仙普賢岳と砂防技術」をテーマに出展しました。

2 吹上浜さぼうランドの内容
吹上浜さぼうランドでは,雲仙普賢岳の土砂災害や復興の現状を説明する「砂像ゾーン」と,現在雲仙で活躍している無人化技術を紹介する「無人化施工機械実演ゾーン」で構成しています。
【砂像ゾーン】
現状の普賢岳を再現した砂像は,高さ約6m,裾野幅約20mの大規模なものです。平成新山と銘々された溶岩ドームや,下流で進められている砂防設備の状況等を表現するとともに,被災家屋等も再現しました。見学者の方々はテレビや新聞で普賢岳の災害の情報は知っていても,その様子を立体的に見る機会がなく平成新山と銘々された溶岩ドームの独特の形状や被災状況等に見入っていました。中には日頃から目にされている桜島と違い,溶岩ドームを形成する普賢岳の噴火に驚きの声が上がっていました。また,夜間はライトアップによる演出効果もあり,涼を求める見学者で多くの賑わいを見せました。
【無人化施工機械実演ゾーン】
現在の雲仙普賢岳砂防事業の目玉の一つである無人化施工の紹介として,実際に雲仙普賢岳の砂防事業で使用している大型の無人建設機械やカメラ車を持ち込んで,無人化施工実演ミニツアーを開催しました。見学者の中には,砂防事業での先端技術の高さに驚きの声があがるなど,充分に効果のある広報となりました。また,ツアーの締めくくりは日頃見ることのない大型の無人建設機械との記念撮影を行うなどし,祭典期間中のツアー見学者は1,000人を超え大好評でした。

3 おわりに
今回の出展で,幅広い年齢層の方々に日頃目にすることの少ない砂防事業に触れていただくことができ,また今後の砂防事業の推進に参考となる貴重なご意見も多数頂くなど,たいへん効果的なPRを行うことが出来ました。これも砂像制作の御指導を頂いた鹿児島県,加世田市の方々,土石流実険装置や降雨体験装置の準備を頂いた大隅工事事務所の御協力のたまものであり,紙面をお借りして感謝申し上げます。

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