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情報の伝え方
~文字・式・図~

田 吹 泰 孝
福岡県 県土整備企画課
企画広報係長

日常生活の中で、複雑な情報や概念、関係性を正確に伝えるために、文字・式・図といった表現方法を組み合わせて伝えるとよいことがあります。
先日、たまたま数学の学び直しをしていたところ、このことを実感した経験をしましたので、いくつかご紹介します。

(1)式の展開:(a+b)2
この式の展開は、一度は暗記した事がある公式と思います。式の展開の法則に従って展開すると 
(a+b)2 = a2+2ab+b2
となります。このことを図で表してみると、右辺は一辺が(a+b)の正方形の面積(図- 1)と考えることができます。図のように、ブロック毎に面積を計算し足し合わせると、公式通りになることが分かります。

図1

(2)お土産算
これは、2 桁の数字の掛け算です。2 桁目の数字が同じ場合この方法が使えます。
例えば掛け算15 × 13 を考えます。学校で学んだ方法では右のように計算すると思いますが、これをお土産算の手順で計算すると、
① 13 の1 の位(3)を15 に渡す(お土産)
②お土産後の数字(18、10)を掛ける(180)
③元の数字の1 の位(5、3)を掛ける(15
④②と③で求めた数字を足す(195
となります。このことを面積図で表すと図- 2 のようになります。図のように、面積図の一部を切り取り、付け足すことで、お土産算の意味が理解できます。

図

図2

(3)つるかめ算
これは、つるとかめの「足の数の差」を利用し、それぞれの頭数を計算する方法です。例えば、鶴と亀の頭数の合計が30、足の合計が100 本の時、鶴と亀の頭数を考えます。一般的には鶴a 羽、亀b 匹と仮定し、a+b=30、2a+4b=100 の連立方程式を解くと答が出ますが、図- 3 のように考えることもできます。図のように補助線を入れると、亀、鶴の順に頭数が分かります。
学び直しの中で、文字は詳細な情報を正確に伝え、式は問題の本質を論理的に伝え、図は情報を直感的に伝えることができるツールであることを再認識しました。文字・式・図をそれぞれの特性が補完し合うように使うことで、情報の理解と伝達はより向上します。多様化する社会では複雑な情報を正確に分かりやすく伝える事が必要であり、これらを効果的に使うスキルは大きな価値を持つと思います。

図3

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