佐賀導水事業は、一級河川である筑後川、城原川、嘉瀬川を延長約23kmの導水路(管路、開水路)で結び、洪水調節、内水排除、流水の正常な機能の維持と増進(河川維持用水と河川水質浄化用水の補給)、並びに水道用水の補給を行い、各河川の流況を改善する流況調整河川事業です。
巨勢川調整池は、佐賀市周辺を洪水被害から守るため、佐賀市金立町に建設しています。
この調整池は、出水時に巨勢川東渕地点での基本高水のピーク流量毎秒200立方メートルのうち、毎秒130立方メートルを調節するものです。また、調整池に貯めた水などを巨勢川機場により、嘉瀬川へ最大毎秒30立方メートルのポンプ排水を行います。
調整池の規模は、調節容量が220万立方メートルであり、敷地全体では東西に約900m、南北に約600m、面積は約55haの広大なスペースを有し、周りを囲む堤防の延長は約2.6kmに及ぶものです。
平成20年度の完成を目指し、工事を実施しています。
この調整池では洪水時には、本来の機能である洪水調節を行いますが、平常時には、広大なオープンスペースを地元住民の方々に利用していただけるよう考えているところです。
そのため、将来の調整池のよりよい利活用や維持管理について、地元住民の方々と一緒に懇談会を設け、これまでに7回開催してきました。
参加者のみなさんからは、各テーマに対するそれぞれの想いを語っていただいています。毎回、活発な意見交換がなされ、様々な提案を頂くなど、白熱したものとなっています。
これからも懇談会を継続して実施し、さらに多くの住民の方々と一緒に、調整池の利用方法などの議論を深め、調整池が長年にわたって親しまれ、次の世代へと受け継がれていくよう、地元住民の方々と行政、NPOなどが一体となった管理運営体制の確立を目指していきたいと考えています。
巨勢川調整池の状況写真(平成17年2月)
巨勢川調整池洪水調節模式図