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県道飯塚大野城線バイパスの開通について
~大野城市乙金東地区から同市中地区まで~
平山達也

キーワード:県道飯塚大野城線、バイパス、開通

1.はじめに
県道飯塚大野城線は、福岡県飯塚市飯塚地内の県道瀬戸飯塚線を起点とし、同県糟屋郡須恵町及び宇美町を経由して、同県大野城市御笠川4 丁目地内で一般国道3 号及び福岡高速2 号線と交差し、同市山田4 丁目地内の県道福岡日田線を終点とする福岡県中央部を東西方向に結ぶ延長約35㎞の幹線道路である。

宇美町から大野城市にかけては、沿線に立地している工業団地や物流施設等で発生・集中する大型車交通や福岡都市圏内の通勤交通等の多様な交通が利用する重要な道路となっている。
1.6㎞のバイパス区間(以下、「本事業」という)に並行する現道区間は、地域の通勤、通学、店舗利用等の日常生活に利用される一方で、付近には福岡空港、九州縦貫自動車道、福岡高速2 号線、一般国道3号、並びにJR 鹿児島本線、西鉄天神大牟田線等が集中する交通の要衝であり、太宰府IC、福岡高速大野城ランプ(平成11年3月27日開通)に近接しているため、物流関連の通過車両が多いことから、慢性的な混雑が発生していた(写真-1、2、3参照)。

2.関連事業について
那珂県土整備事務所が管理する宇美町境から一般県道福岡日田線までのうち、一般県道水城下臼井線から一般県道福岡日田線までの区間については、都市計画道路那珂川宇美線として、都市高速密接関連事業(L= 570m、平成11年度完成)及び住宅宅地関連公共施設等総合整備事業(L=560m、平成15年度完成)にて整備を行った。

3.事業の目的
本事業は、バイパスを整備することで、広域的な交通需要への対応と生活道路となっている現道区間の安全確保に貢献するとともに、円滑な交通環境を確保することによって、緊急輸送道路ネットワークの機能強化を図ることを目的に、平成13年度から事業を行ってきた。

4.事業の概要
本事業は、都市計画道路那珂川宇美線と整合を図り、道路計画を行った。事業の概要について下記に示す。
(1)事業概要
・路 線 名 飯塚大野城線バイパス
・事業箇所  大野城市乙金東地区~同市中地区
・事業期間  平成13年度~平成26年度
・事業延長  L = 1,620m

(2)計画諸元事業概要
・道路規格 第4 種第1 級
・設計速度  V= 60㎞ /h
・幅   員  W= 13.0(27.0)m

(3)主要構造物(写真―4、5 参照)
・桑ノ浦橋 橋長L=89.9m
  構造形式:4 径間連続PC中空床版橋
  橋   台:逆T式橋台
  橋   脚:張り出し式橋脚
  基礎形式:中掘り鋼管杭(φ 800)
・大谷口橋 橋長L=50.0m
  構造形式:PC 2 径間連結ポステンT桁橋
  橋   台:逆T式橋台
  橋   脚:張り出し式橋脚
  基礎形式:中掘り鋼管杭(φ1000, φ 800)

5.事業の経緯
主な経緯を下記に示す
H11 調査開始
H12 事業採択
H13 事業着手
    一部、用地買収及び工事に着手
H20 大谷口橋完成(平成20年5月)
    鉄塔移設(九州電力)
H21 桑ノ浦橋完成(平成22年3月)
H26 供用開始(平成27年3月29日)

6.開通
飯塚大野城線バイパスは、平成27年3月29日(日)の14時に開通した(写真-6、7、8、9参照)。

当日は、大野城市が事業を進めている(都)現人橋乙金線の街路事業と合同で完成式典を行った(写真-10 参照)。

地元区では、道路の完成を記念して開通前の新しい道路を歩き、式典会場へと向かった。式典には1,000名を超える地元の方々が参加し、新しい道路の完成を祝った(写真- 11、12、13 参照)

7.終わりに
飯塚大野城線バイパスが開通して、「現道の渋滞がなくなった」「路線バスが定刻に来るようになった」などの評価を頂き、バイパス開通による渋滞解消の効果が実感できた。
今後は、事業中である現道拡幅区間の整備を進め、安全・安心で円滑な交通環境を確保できるよう、事業の進捗を図ることとしている。
最後に、本事業の着手から開通までの長きにわたり、地元住民の方々をはじめ、関係諸機関、設計コンサルタント、施工業者、その他大勢の方のご協力を頂きました。ここに感謝申し上げます。

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