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九州地方計画協会

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既設ダムの洪水調節容量の有効活用等を通じた渇水対策等の推進

1.施策の内容
(1)洪水調節容量の一時的活用の検討
治水を目的として建設されたダムでは,台風や梅雨等の洪水期の出水に対して的確に洪水調節することが求められている。全国の各ダムにおいては,この目的を満たすことを大前提に,安全管理に配慮し洪水調節を行ってきたところである。
しかし,常時は空容最となっているダムの洪水調節量を安全性を十分確保した上,活用すべき方途(渇水対策,清流回復等河川利用者の要望等)に対応して,一定の条件により利用ができないか検討を行うものである。
このため,ダムの管理方法を一部変更し,一定の管理基準により安全に事前放流ができることを条件として,平成9年度の出水期より2箇年を目途として全国の代表的なダム(7カ所)においてダムの弾力的管理を試行し検討するものである。九州においては厳木ダムが対象となっている。

2.施策の必要性
近年は,全国的な小雨化傾向により,各地で渇水が頻発している。また,一方で前線,台風による洪水も各地で発生し,未だに洪水の被害も発生しているところである。この利水,治水問題を解消し,安全度を向上させるため,ダム建設は有効な施策であるが,近年の国民の環境保全に対する意識の高まりや行財政改革のため新たなダムを建設するには,長期を要するものとなっており,この問題を解消することはすぐにはできない。
そのため,既設ダムの容量を活用することが早急な対応のための有力な手段の一つであり,気象予測やレーダー雨最計等,各種情報が充実してきていることや,ダム設備の向上により従来よりダム管理が簡易にかつ迅速に対応可能となってきているという環境を最大限活用する可能性を検討することとした。
今回の試行により弾力的ダム運用の問題点や課題を把握し,それらを解決することにより将来のダム有効運用を目指していくものである。
この試行により活用できるダムの容量は,建設省が管理する全国の7ダムで約2,360万m3(各々のダムでは,約80万m3~約500万m3)となり,この操作方法により平均的な直轄・公団ダムの約1ダム分に相当するダムの容量が利用できることになる。

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