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技術士試験合格までの体験記

㈱建設技術研究所 福岡支社
 技術第3部課長
矢ケ部 輝 明

技術士試験の星取り結果でいえば,3勝6敗。過去6年間続けて落ち続け,その後,建設部門(河川)で合格した後は,同(建設環境),同(都市計画)と,3連勝。その前後の違いは何だったのか。ここで振り返ってみることで,多少ともお役に立てる体験記としてお話してみたいと思います。
その一つには,自分の考えを,きちんと記述したこと。自分の考えとは,技術的な記述とは別に,その技術の持つ意義,位置づけへの認識のことです。経験論文にしろ選択問題にしろ,どのような技術力を持っているかについて,客観的に記述しますが,それに加えて,主観ともいいますか,自分の意見・認識を記述するように努めました。だめだった試験では,技術的なことがらのみ記述していたと思います。
例えば,建設環境の場合は,「開発と保全は,我々技術者にとっては2者択一の間題ではなく,開発目的を満足させながら,かつ極力保全に努めることが技術力の見せ所である。多自然型川づくりは,その実践である」と。技術に加え,その技術がもつ意味や姿勢を自分なりの解釈の中で記述するように努めるようにしました。また,同様に,自分が何を目的として,何をしたいから土木に係わっているか。技術者として,どのような誇りや責任感を持っているかということも大切でないでしょうか。都市計画の場合は,「街づくり等なにかを創り出すという過程を通して,地域文化の醸成を図ること。創り出すこと自体だけが目的でない」と考えています。
そのような解答をするためには?と聞かれれば,「やはり勉強するしか」と答えるしかできません。

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㈱福山コンサルタント 熊本事務所
 所長代理
栄 徳 洋 平

1 体験論文への対応
体験論文の問題は,ほぼ毎年同じ内容であるので,いかに事前に労力を惜しまず答案用紙を準備できるかが合格のポイントではないかと思います。
① 報告書ではないため,主張したいテーマを絞って記述する。
② できれば,タイムリーな話題や新しいテーマの方が,試験官も興味を持って読んでいただけると思う。
③ 論文は,必ず数名の合格者に添削していただき,様々な視点からチェックしてもらう。
④ 文章での説明より,図表の方が説得力が増す。また,試験時間の節約となる。

2 選択問題への対応
選択問題に対しては「傾向と対策」につきるのではないでしょうか。
① 土木学会誌,建設白書,諸雑誌を過去1年間分類整理して,今日的話題をキーワード別に整理する。
② 過去の出題傾向と今日的話題から想定される問題を作成する。ほぼ7割は予想があたるのではないかと思う。あとの3割もキーワードの組み替えで対応可能であろう。
③ 専門論文の出題範囲は広い。私の場合、道路計画を主な業務にしてきたため,関連する出題傾向だけに絞り,あとはあきらめた。
④ また,すべての設間に完璧に書くことはあきらめ,枚数も内容も70%程度を目標に試験に向かった。
いつかは取らないといけない試験。こんな面倒な試験は1回でパスしてやろうぐらいの気持ちでがんばってください。

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西鉄シー・イー・コンサルタント㈱
 技術部長
吉 竹 正 致

1 体験論文への対処
体験論文の設問は,大旨,①業務の概要,②技術的問題点,③自分が解決した対策,④現時点での批判,で構成されます。上記③の実績が乏しい私は,兎に角,係わりのある資料を掻き集め,復習することから始めました。しかし、映画「バック ツウ ザ フューチャ」のように,過去の生き様を変えられるものでもありません。後は,「高等の専門的応用能力」を求められるという④について,相当模索しました。④は,今現在の努力が実り得る重要部分だからです。論文作成の要領は「借刀殺人」。要するに受験の意志を公にして,何でも活用することです。先ず,技術士センターの講習を受講し,傍ら,講師,先輩技術士,友人に情報収集,論文添削等,助力と指導をいただきました。合格点に達したのは,そのお陰です。但し,詰まるところは,アイデンティティーとオリジナリティーがなければならないと思います。
2 選択問題への取組み
解答案を幾つか用意しておけば,応用がききます。建設一般,専門とも,過去の出題の中から5例程選び,答案を作成しました。一般論文については,学会誌の巻頭言,日経新聞,建設・経済・環境等の白書,それに,ラジオの「時の話題」等の情報も加え,利用出来そうなフレイズをカードに書き抜いたり,コピーにポスト・イットを付すなどしておいて,文章を推敲しました。専門論文は,多少とも知っている内容ですから,報告書,専門書,技術雑誌等,その都度聞きながらで,間に合うようです。一度,労力節減を図り,先輩の論文を拝借し,テープに録音して丸暗記しようとしましたが,駄目ですね。記憶しやすさの点でも,アイデンティティーが重要と分かりました。

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建設省筑後川工事事務所
 管理課長
森  勝 義

技術士を受検する時によく,受検の動機,技術論文の選定,取り組み方はどうであったかと言われる(聞かれる)が,私の場合について簡単に述べてみたいと思います。
まず動機については,①現在建設産業の技術のレベルを上げるために業界には,技術資格,資格数を強く求められているが,発注者(行政)側にも必要と考えられる。②近年,若手技術者の技術力が問われているが,この若手を指導する立場にある人が資格に挑戦して若手の手本となるべきと思われる。
技術テーマ(論文)の選定について,よくテーマがないと言われる方がいるが,これは普段から仕事を通じて技術に関しての改善(開発)する姿勢が必要で,その結果が論文の選定につながると思われる。
受検の取り組み方として,受検票の提出から受検(8月下旬)まで約5ヶ月間と短いことから,経験者の意見も聞いて,自分に合ったスケジュールを試験項目毎(技術論文,建設一般,専門技術)に資料収集・整理,予想問題と解答作成・修正および暗記の順に作成した。
しかし,現実的には技術論文の作成,添削で多くの時間を要したこと,記憶力が落ちたことなどで後半のスケジュールに苦労したことを思い出します。

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