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技術士合格体験記 ~62歳の挑戦~

西日本技術開発株式会社
 施設開発部 部長
鹿 島 脩 一

平成13年度の技術士(電気・電子部門)試験に,62歳(old man)での挑戦で,はからずも合格させていただきました。3回目の受験でもあり合格の喜びもひとしおでした。この合格体験記が少しでも,受験者の皆様のお役に立てば幸いです。

1 知識は幅広く,深く
技術士は,専門的能力に加え指導力など高度で幅広い能力が必要と考えられます。
そのための試験ですから,平素から自己の知識を幅広く,また深く持つことが必要と考えます。この知識が,試験の際,知的な文章として次々と生まれてくると思います。

2 雑誌中心,テキスト,新聞は補足
電気・電子部門の試験では,選択,必須問題ともほとんどが,電気専門雑誌(4,5種類ある)から出題されています。それは,社会・経済清勢,環境問題,技術的基礎・進歩,応用等が専門家諸氏によって幅広く述べられています。既往問題は,そのような設問になっています。
そこで,4年分の雑誌をジャンルごとにファイル化しました。膨大な厚さとなりましたが,3年間の間,6回程度読み返しました。
2年目には,各テーマを1.定義,2.ニーズ,3.原理,4.キーワード,5.将来の展望,6.図表,7.補足と展開シートを作りました。これは,考え方をまとめるのと文章の作成に役立ちました。

3 マーカー用意 題意を掴む
第1回目の試験(H11)では,体験論文を3件書き,その中「開発途上国への展開」を1件述べるべきところ,3件とも海外展開分を記述してしまい,誤った解答としてしまったのです。このことから,問題は,何を求めているか良く把握する事だと思います。そのためには,マーカー等で題意をマークし,良く理解して的確に解答する事が重要と思います。
また,論文は,「スーと入り,スイスイ読める」(引っ掛からない)ことが大切と伺いましたので,他の人にも読んでもらうと良いと考えます。

4 全力を集中,知識,経験は丁寧に述べる
策2回目(H12)は,高圧配電線のリレーの問題を選択,これぐらい述べれば良いだろうと,勝手に判断したのが不合格の原因と思います。
これは,主要な選定項目があって,それらの少なくとも,6~7割程度を記述しないと,合格は難しいとある人から後で聞きました。解答は自己の持てる知識,能力を存分に発揮し,これくらいと思わず,全力を集中し,丁寧に記述することが重要です。また,試験の時は,あまり緊張せず,リラックスした方が,良いアイデイアが浮かび,良い答案が書けると思います。

5 5肢選択は基礎的問題平素の意識
必須問題で,初めて5肢選択が出題され,原理,原則,計算等の基礎的問題が主でした。忘れていることを何とか引き出しながら,解答しました。これは,平素から,基礎についても機会あるごとに勉強する必要性を感じました。
体験論文は,「環境負荷低減」が出されましたが,これは,現在,業務で進めている「風力発電送電線の設計」がピッタリで,何とかまとめることが出来ました。

6 合格は体力,精神力
3年間,技術士試験が頭から離れませんでした。それは,今まで経験した専門技術の集大成とも云うべき,技術士資格を有することが夢だったからです。過去のいろんな悔しい思いをバネとし,精神力を充実させ,体力を維持しながら,休日,夜を返上して勉強しました。このように,一生懸命勉強すれば,誰でも合格できると思います。合格,不合格は紙一重と聞いています。受験者の皆様のご健闘をお祈りします。

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技術士試験をふりかえって

株式会社 トキワ・シビル技術部
 技術管理室長
江 﨑 史 啓

受験4年目にして合格した私ですが,非常に幸運でした。これから技術士を目ざされる方々に,私の体験記が少しでも参考になれば,大変光栄です。私は建設部門の道路科目を受験しました。

1 体験論文について
体験論文は,技術士試験の中で占める比重は大きいものだと思います。論文には全く自信がなかったので,㈲九州技術支援センターの講座を受講しました。テーマの選定として,業務の全責任者として対処したこと,役所の要望通りでなく,提案を行い,自分の考えを受け入れてもらうことを柱として進めていくこととしました。また,表現の工夫面で,表や図の活用・算式や数値の明示・起承転結の流れ等多角的に添削をいただきました。

2 建設一般,専門科目について
両科目とも予想される問題を想定して,4~5題ずつ作成しました。過去の出題,土木学会誌,新聞の解説欄,「建設白書」等から,日頃よりトピックスになっている話題を見い出して,専門用語,新しい語句を折り込ませて原稿をまとめました。私の場合「建設白書」が非常に役立ったと思います。

3 五肢択一問題について
平成13年度に初めて新制度の下で行われた試験問題でした。どのような問題が出るか,全くわからない状況でしたが,全部で15問の出題で6割つまり9問以上正解しないと足切りされるということで不安でした。内容としては,政治,経済面,社会状況等に関する幅広い問題でした。年代や数値等も問われるので,前述したように新聞や「建設白書」を熟読されるといいでしょう。

4 勉強の対処法
試験まで限られた日数しかない上,職場での仕事が最優先ですので,おのずと中味の濃い勉強にならざるを得ない所です。会社では出来ないので,家庭で勉強することとしました。以下試験当日迄の対処法について箇条書きにすると,
① 1日何時間と決めず週全体で何時間としてストレスを与えない。
② パソコンを使わずに,とにかく鉛筆を握って何度も何度も書いて覚えこませる。
③ 通勤途上,テープに吹きこんだ論文を再生して聞き,記憶する。
④ 夜早く寝るようにして,朝方5時半ごろ起きて勉強することにより体調を朝型に切り替える。
⑤ ペンシルは滑り止めゴム付きで太握り用を使うと疲れにくい。
⑥ 試験会場が,過冷房になることもあるので,薄手の長袖を準備しておく。

5 最後に
試験当日迄の間,「自分は合格するんだ」という気持ちが大事です。この継続性の気力が勝利に導かれると思います。本人の情熱,健康,家族の協力が重要です。そしてすべての事をやりとげればあとは静かに天命に祈るのみです。皆様方のご健闘をお祈りいたします。

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