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無人化施工訓練における働き方改革実践コースについて

熊井教寿

キーワード:無人化施工、ICT 建設機械、働き方改革

1.はじめに
大規模な自然災害発生時において、被害の拡大防止・軽減を図るためには初動対応が重要であるが、二次災害の恐れのある危険な作業現場であることが多い。そのような状況下においては、作業員の安全に配慮した施工方法を採用することを基本としており、遠隔操縦式機械を用いた無人化施工は非常に有効な手段と言える。
これまで作業員が行っていた危険な作業が軽減され安全性が向上するためには、無人化施工の活用が不可欠である。加えて、労働力の大幅な減少が問題となっている建設業界において、施工時期の平準化や建設現場の生産性向上により、十分な休暇の取得や賃金水準が向上し、建設現場の仕事がこれまでよりもさらに魅力的になっていくことにより、若手や女性の参入を増やし、ベテランを含め多くの世代に継続して働いてもらえるよう労働環境を改善することが重要である。
このような状況を踏まえ、今後より多く必要とされる無人化施工に対応可能なオペレーターの育成を目的に実施している無人化施工訓練において、政府全体で取り組んでいる働き方改革を推進するため、平成 30 年度から「働き方改革実践コース」を新設したので紹介する。

2.これまでの無人化施工訓練の取組
無人化施工訓練は平成 27 年度から実施しているが、平成 28 年度より遠隔操縦式バックホウの待ち時間を利用してICT 建設機械の体験を開始し、無人化施工とICT が同時に学べる取り組みとして、平成 30 年度までに延べ約 1450 人(見学者含む)が受講した(写真- 1)。

平成 27 年度は、九州技術事務所所有の遠隔操縦式バックホウ 2 台を使用して直接目視方式及び直接目視+モニター方式の 2 方式で実施に操作する「オペレーターコース」と、無人化施工に関する座学とオペレーターコースの見学を中心とした「現場代理人コース」の 2 コースを設定した。
平成 28 年度は、無人化施工に関する座学とICT 建設機械を体験する「現場代理人コース」、2 台の遠隔操縦式バックホウの操作訓練に加えてICT 建設機械が体験できる「オペレーターコース」及びICT 建設機械の体験を中心とした「ICT 体験コース」の 3 コースを設定した。
平成 29 年度は、訓練会場を九州技術事務所に加えて鹿児島県桜島を追加し、2 会場で無人化施工訓練を実施した。
平成 30 年度は、政府全体で取り組んでいる働き方改革を推進するため、「働き方改革実践コース」を新設した。

3.働き方改革実践コース
働き方改革は多様な働き方を可能とする社会を目指すもので、建設業界ではi-Constructionをはじめとして様々な取り組みがなされている。無人化施工訓練の中でも i-Construction の取り組み強化を図るため、平成 28 年度から ICT コースを新設し、ICT 建設機械の体験を始めた。しかしながら、建設現場の仕事は、外業だけでなく書類整理や図面作成など内業も多くのウエートを占め、昼は施工現場での外業、夜は現場事務所での内業と長時間労働も少なくない。働き方改革を実践するには、ICT 建設機械の導入に加えて、3 次元データ作成や関係書類作成の効率化などが必要不可欠である。つまり、外業での効率化は図れても長時間労働の原因となっている内業部分の生産性を向上しないと目的を達することは出来ない。
そこで、働き方改革の実践に向けての課題と解決方法を検討した結果(表- 1)、工事書類作成・施工管理を簡単にするツール、情報・データを共有するツール及びICT 建機を上手に使用するツールの体験を主軸としたコース内容とした。講義では、実際に PC を操作しながらツールの便利さを実感することができるものとした。
働き方改革の当面かつ根幹的な目標は“ 早く帰れる ”“ 休暇をとれる ” 環境整備にある。そのためには、「効率化」「生産性の向上」が不可欠である。つまり、便利なツールを用いて生産性向上を図り、それを PDCA サイクル的にスパイラルアップしていき、仕事環境の抜本的な改善の推進と魅力ある建設産業への発展を進めていくことが重要である(図- 1)。各企業において、働き方改革に取り組むことで好循環が訪れることを期待したい。

4.おわりに
最後に、無人化施工訓練の運営を中心に実施し連日多くのスタッフを派遣して頂いた東亜コンサルタント㈱の方々を始め、訓練参加者の方々、展示企業の方々及び九州地方整備局施工企画課等、各事務所の方々に謝意を表します。

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