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安全で質の高い国土環境の整備

建設省 九州地方建設局
 企画部長
山 口 一 弘

我が国は1980年代後半から巨額の貿易黒字に伴う急激なドル安円高にかかわらず,国民生活は一向に豊かさを実感できる状況にないのが現状である。その原因の一つとして貿易黒字や円高差益によって富が偏在し,生活水準を上げるための住宅・社会資本の整備のために使われることが少く,いたずらに消費財や株などのマネーゲームに使われ,地価をつり上げ,さらには将来の安全保障も不十分なまま海外の不動産投資,資本輸出へと走っているものと考えられる。
また,豊かさに係る基本的課題として,我が国は山地が多く可住地面積が少いことがあげられる。従ってその対策として,日本は四方を海に囲まれており,水深20mまでの海域面積は約3万km2あり,国土面積の一割弱を占める。この海域の一部を有効に活用し,自然環境に十分配慮した海洋性リゾートを民間活力を利用して整備するということが考えられる。
昭和62年6月閣議決定された4全総の「国土計画の基本的課題」によれば「安全で質の高い国土環境の整備」の必要性が説かれており「生活水準の向上,高齢化の進展自由時間の増大等に伴い,新しい豊かな住まい方に対するニーズが高まっており,文化性に富み,生涯学習や医療,福祉へのアクセスが容易であり,ゆとりと安心感のある質の高い地域環境の整備」が求められている。海洋性リゾートの整備はこの4全総方針にピッタリではないかと思う。①気候が温暖で②波が穏やかな比較的遠浅で水質のきれいな海があり③背後地に山が迫っているような地形で④近隣に車で30分ないし1時間ぐらいに人口10万人程度の母都市がある,と云ったような場所を選び,山を削り海を埋立て,その前面に人工ビーチを造り,土取り跡地は自然に富んだ公園又は宅地とし,埋立地はリゾートとして白砂青松の海浜を取り戻そうという考えである。
現在愛知県で計画が進められている渥美半島の三河湾にある田原海岸はまさにこれらの条件に適合するものである。海の水質はきれいで母都市としては豊橋市が控えている。その計画の基本方針として①親水性の高い白砂青松の優れた沿岸空間を創出する②人生80年時代に対応し,文化性に富み生涯教育や医療,福祉へのアクセスが容易で,ゆとりと安心感のある地域環境を整備する③増大する海洋性レクリエーションに対応するためマリーナ等の施設を整備する④漁業など地場産業を活かす方策をとり入れる⑤21世紀の国際化・情報化の進展,自由時間の増大,価値観の多様化に配慮した新しい文化誘導型のレクリエーション都市造りを目指す⑥官民一体としてプロジェクトを進め民間の活力とノウハウを導入した質の高い施設整備を行う。以上を狙いとしたものである。ヨットでも眺めながら,しゃれたシーフードレストランで新鮮な魚料理でも食べながらゆったりとした余生を送る,そのような立派なリゾートづくりを望むものである。
このような海岸線は名古屋以西で200kmはあると思う。九州でもこれに類する適地は十分考えられ,このような地域整備は可能であろう。

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