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川が大好きなみんな、ゲンキ?今日はリバーくんと一緒に、川やその周辺の植物を学ぶことにしようね。

まず、河原の植物を観察する場所は、生えている場所によって三種類に分かれているんだ。

一つめは、水中や水辺、または湿気を好んで生える植物。

二つめは、砂や小石が続き、高温で乾燥の厳しい場所に生える植物。

そして三つめは、大雨で増水しても滅多に流されない、川から少し距離のある安定した場所で育つ植物。

今回は、川の植物たちを身近に感じてもらうために、ぼくらの生活にも深いかかわりがある植物を 紹介することにしよう!

クレソン

いろいろな料理にも使われる、身近な香草

■クレソン


【アブラナ科/ヨーロッパ西部・中央アジア原産/別名:オランダガラシ】

里山の流れの弱い川辺でよく見かけます。海外が原産地ですが、実は身近な場所に群生していることもあります。別名の通り、独特の辛味がある香草で、ステーキなどの彩りによく使われます。繁殖力が強く、九州各地の水辺や湿地でもたくさん自生しているくらいなので、とても丈夫で、水耕栽培などのガーデニングでも栽培できます。家庭で食べるには、削り節と醤油をまぶしておひたしでいただくのが最も手軽。辛味が和らぎますので、子どもたちにも食べやすくなります。

セリ

さわやかな香りが好まれ、古くから食用に

■セリ


【セリ科/日本原産/別名:カワナ・カワナグサ・ネジログサ】

春の七草の代表的な水菜で、「日本書紀」にもあるように、平安時代には歌にも登場し、古くから食用として親しまれている植物です。クレソンと同様、里山の川沿いの湿地に自生しており、田んぼのあぜ道の脇などでも見つけることができます。早春の七草がゆの材料として使われますが、最も生育するのは春から夏にかけての季節。夏には白いレースのような、涼しげな花を咲かせます。パセリやセロリと同じ香草の仲間で、クレソン同様、おひたしにして削り節と醤油をまぶして食べると、さわやかな香りが楽しめます。

クズ

柑橘系のよい香りと赤紫色の花が美しい

■クズ


【マメ科/アジア原産/別名:クズカズラ・マクズ・ウラミグサ】

川の流れから少し離れた、やや乾燥気味の荒れ地に群生しているツル植物です。硬くて大きな葉が特徴で、どこにでもたくさん群生しているので、すぐに見つけることができます。生育が盛んで、ツル(茎)は長さ10m以上にもなり、ツルを長く伸ばして他のものにからみつくことも。また、葉は夜になると葉の裏側の方向に抱えあって睡眠するという不思議な特徴も持っています。夏には藤の花のような赤紫色の花を咲かせ、グレープフルーツのような芳香を放ちますので、ぜひ、香りを楽しんでみてください。根からは良質なでんぷんが採れますが、これはくず粉(葛粉)という和菓子の材料となり、葛きり、葛もち、葛湯などで味わうことができます。また、若芽は天ぷらにするとおいしく、さらに、根の皮をはいで干したものを”葛根(かっこん)”と呼び、発汗や解熱薬として風邪に効果があるといわれています。

ヤナギ

川辺の代表的な植物。クワガタがすみつくことも。

■ヤナギ


【ヤナギ科/中国・日本原産】

河原や水辺などの湿った場所に生える、ヤナギ科ヤナギ属の落葉樹の総称。ヤナギ科の植物は全部で約400もの種類がありますが、ネコヤナギやシダレヤナギが比較的、目に入りやすいと言えるでしょう。ネコヤナギは背の低い木で、どんなに大きくてもせいぜい2m程度までしか生長しません。シダレヤナギはその名の通り枝が垂れていて、10m以上の大木になります。

ヤナギ科の樹木は、柔らかく加工がしやすいので、家具やマッチ棒などに用いられています。海外では、ピクニック用のバスケットやクリケットのバットなどに加工されます。細い枝を使ってカゴなどを編んでみても楽しいですね。また、ヤナギの木は、ヒラクワガタやコクワガタといったクワガタムシの仲間の絶好のすみ家でもあるので、夏休みは昆虫採集の格好の場所となります。

ヨシ

下流域に群生し、そばにはたくさんの魚や野鳥が。

■ヨシ


【イネ科/中国・インド原産/別名:アシ】

高さが2~3mほどの多年草で、下流域の川岸に多く群生しています。ヨシの群落は、水の流れを弱くして汚れを沈め、水中の茎につく微生物や群落の土中の微生物によって水の汚れを分解。水中の窒素、リンを養分として吸い取ることにより、水を浄化するといわれています。また、ヨシの群落は、コイ、フナ、ヨシノボリ、テナガエビ、カワニナ、タニシなど多くの魚介類がえさ場や隠れ家として利用し、まさに、ヨシ群落は魚の宝庫なのです。また、水中生物だけでなく、たくさんの野鳥もヨシ群落の中で生活しています。卵を産んで子どもを育てたり、えさを取ったり、敵から身を守ったりとヨシ群落の中は野鳥にとっても楽園。ですから、ヨシ群落をしばらく眺めていれば、カイツブリ、オオヨシキリ、バン、カルガモ、シラサギ、カワセミなどの野鳥に出合うことができます。

リバー君より、みんなへ

川ではいろいろな植物を見つけられるけど、みんなぼくたちと同様、一生懸命生きているんだ。枝を折ったり花を取ったりするのはやめようね。心ない行為が、植物たちの、そして川の未来を奪ってしまうことになるんだよ。みんなで自然を大切にしよう!

次回は、川で見つかるいろい ろな昆虫たちを紹介するよ。

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