一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        

川を大切にしているよい子たち、こんにちは。川博士だよ。

このコーナーで、2回にわたって特集してきた「外来種」の問題、 みんな思い出してくれているかな?

外国や他の地域からやってきて棲みついた外来種の動植物が、その川にもともと棲んでいた在来種の動植物たちの生態系を壊すなど さまざまな影響を及ぼしておるという話だよ。

今回は、外来種がなぜ川に棲みついてしまったのか、その原因と、外来種から川を守るために私たちができることについて、みんなで考えてみよう。


1.堤防の保護や斜面の緑化のために外来種の植物が使われるんだ。

堤防を保護したり、斜面の緑化のため、これまで数多くの外来植物が植えられてきました。これらの外来植物の種が川に流されたり、他の地域まで広がることで、外来植物が増えてしまうのです。

2.ペットが野生化してしまうこともあるよ。

もともとはペットとして人間に飼われていた外来動物が逃げてその川に棲みついたり、観賞用の植物が川に捨てられたりして、野生化することもあります。

3.食べるためや釣りのために川に放流された外来動物も。

食糧不足だった明治時代以降の日本に、食用のためにたくさんの外来種である魚介類が持ち込まれた時期があります。また、釣りのためにいろいろな外来種が川に放流され、全国に広がっていったとも考えられます。

国土交通省では、平成2年から「河川水辺の国勢調査」を行っていますが、この調査によって、毎年、日本の河川でたくさんの種類の外来種が生息していることが確認されています。国内で外来種が急激に増えたのは100年~150年前からとされていますが、これは、交通網の発達や経済の発展にともなって人や物の移動が活発に行われるようになったことが原因と考えられています。ちなみに現在、日本の河川で見られる植物の約20%は外来種[※]です。

※河川水辺の国勢調査(河川版)平成8~12年度より。

1.外来種の侵入を防ぐための規則があるんだ。

もっとも大切なのは、川の自然や私たちに悪影響を及ぼす外来種が入ってこないようにすること。日本では、沖縄県を除くすべての都道府県で、オオクチバスなどの外来魚を公共の池や川に放流することを禁止しています。

2.入ってきてしまった外来種を取り除く取り組みも行われているよ。

生息してしまった外来種を人間の力で取り除きます。たとえば、その河川に生えている外来植物を住民の手で草取りなどをして除去する作業です。ただし、一旦生えてしまった植物や棲みついた動物を取り除くのはかなり困難。だからこそ、外来種が入ってこないよう、未然に防ぐ取り組みが重要なのです。

■予防
外来種を入れないようにする

■除去
入ってしまった外来種を取り除くこと

先ほどお話しした、外来魚の放流禁止の他、日本でも各河川ごとにさまざまな取り組みが行われています。たとえば、江戸川では、花粉症の原因にもなる堤防の外来植物を取り除いて一面を芝生に。また、大鞘川では、大発生したホテイアオイを除去する作業も行われました。その他、全国の川や池で外来魚の除去が続けられています。

外来種の問題は、日本だけでなく、地球全体の環境に影響を与えます。世界中の生きものの生態系を壊すことにもなりかねません。そこで、1992年に開催された地球サミットでは、「生物多様性条約」が世界各国で結ばれました。この条約では、「生態系、生息地もしくは種をおびやかす外来種の導入を防止し、そのような外来種を制御、撲滅する」というようなことが義務づけられ、2003年8月現在で、世界187カ国がこの条約を結んでいます。

生きものを飼うときは最後まで責任を持って。

ペットとして販売されている生きものの中には、外来種が数多くあります。人間の都合で、飼えなくなったからといって捨ててしまうことで、その生きものは野生化し、在来種に悪い影響を与えることもあるのです。生きものを飼うときは、最後まできちんと責任を持ってください。たとえば、家庭でよく飼われている「ミドリガメ」は、もともとは北アメリカから来た外来種。正しい名前は「ミシシッピアカガメ」といいます。このカメが日本の川や池でよく見かけられるのは、ペットとして飼われたものが捨てられたことが原因だといわれています。ミドリガメは成長すると凶暴になり、在来種が危険にさらされることもあります。

そもそもの原因は人間にあることを忘れないで。

外来種は、人間の手で、元いた場所から別の場所に持ち込まれた生きものたちです。ですから、外来種問題の原因は、外来種の生きものではなく、私たちにあるのです。川の環境を守るためにも、生きものの命を守るためにも、動植物を安易に別の場所に移したり、ペットとして飼っていたものを野外に放すことはやめましょう。

自然を守るためにも、川をよく観察して。

まず、川へ出かけてください。そして川に棲んでいる生きものたちや、川辺に生えている植物たちをよく観察してみてください。動植物の命を守ることは、自然とふれあうことから始まります。

■江戸川
花粉症の原因となる堤防の外来植物を除去して、芝に植えかえました

■大鞘川
大発生したホテイアオイを水から引き上げて除去しています。

■深泥池
池の自然を守るため、外来魚を除去しています。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧