やぁ!みんな元気かな。川博士だよ。
もうすぐ、暑い夏がやってくるのう。
今年の夏もいろんな川で、みんな元気に安全に遊ぶんじゃよ。
さて、実は今、日本の川の生きものについて、問題になっていることがあるんじゃ。今回から、3回のシリーズで、そのことを話そうと思っているから、 みんなもぜひ一緒に、考えてみてくれよ。
川は、生きものにとっても 人間にとっても、なくてはならない存在じゃ。
川には、いろいろな生きものがすんでいます。流れの速い場所や遅い場所、たくさんの木が生えている場所、深い場所や浅い場所、砂地や岩場。それぞれの場所に合ったたくさんの魚や、貝や、昆虫たちが、豊かな川の恵みを受けて暮らしているのです。もちろん人間にとっても、川は昔から、私たちの生活になくてはならないもの。歴史を調べてみると、かつて、世界で文明が発達した地域には必ず川があるし、日本の米作りや文化も川を中心に栄えてきました。そして今でも、川は私たちの暮らしに必要な水を供給してくれる他、食料を与えてくれたりもします。
地球上の生きものたちには、長い長い歴史があるんだよ。
地球上には、とてもたくさんの種類の生きものがいます。そのはじまりは、なんと約40億年も前というから驚きです! 生きものたちは、長い年月の中、周りの環境に合わせて進化を繰り返してきました。そして今、存在している生きものたちは、それぞれの地域の自然環境に適応した体をそなえ、他の生きものとお互いにいいバランスを取り合って、いっしょうけんめい生きているのです。
今、日本の川に、もともといなかった生きものが増えているそうだ。
日本の川には、昔から、その場所をすみかとして暮らしているたくさんの生きものたちがいます。自然のサイクルの中で、他の植物や動物たちと、そして周囲の環境とともに生きてきた彼らは、「在来種」と呼ばれています。ところが、最近、私たちが川で出合う生きものの中には、もともとその場所にはいなかった生きものが増えてきているのです。「外来種」と言われるこれらの生きものは、外国や、日本国内の他の地域から持ち込まれてその地域にすみついてしまったものなんです。
「外来種」の生きものたちが、環境や「在来種」に影響をおよぼしているんじゃ。
実は今、日本では、もともといなかった外来種が、他の生きものや、川の生態系に影響をおよぼしたりしています。そのため、最近、日本では、特定の外来種に関する輸入を制限したり、育てたり栽培することを規制する法律ができました。ではなぜ、外来種はこのように周囲に影響をおよぼすのでしょうか。また、なぜ、もともといなかった生きものが、そこにすむようになったのでしょうか。「外来種」の影響や、法律についてのくわしい話は、次回のこのコーナーでくわしくご紹介します。