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コヨシキリ

私の担当している嘉瀬川は全長が57.5kmあり、佐賀県内を流れる川では最も長い川です。天山山系や雷山等を水源地として、特に河口付近は冬季のカモ類や春と秋のシギ・チドリ類、カモメ類が多く観察されます。珍しいところでは、トモエガモ・アメリカコガモ・アメリカヒドリ・セイタカシギなどの水辺の鳥が確認されています。

嘉瀬川の自然環境は、中流域までは両岸を山間部の森林(スギやヒノキの人工林と常緑広葉樹いわゆる照葉樹林)に覆われ、下流域は平野部の中を流れるため、河川沿いの竹林や柳の林、河川敷のヨシ原は野鳥たちにとって、貴重な生息環境となっています。

私が所属する佐賀野鳥の会は、佐賀県の委託を受けて過去、当河川の野鳥生息調査を行いましたが、その結果を紹介します。調査区域は長崎本線と国道444号線の間の森林公園周辺ですが、合計で62種の野鳥が確認されています。その内訳を見てみるとシギ類を中心とした旅鳥(渡りの途中に立ち寄ったもの)が5種、オオヨシキリなどの夏鳥(夏場に日本に渡ってきて繁殖するもの)が4種、最も種類と数の多いカモ類を中心とした冬鳥(秋から春先まで日本にやってきて越冬するもの)が24種、サギ類を中心とした留鳥(一年中この地域に生息しているもの)が29種です。

特に、カモ類は佐賀県内でも有数の生息場所で、森林公園西の定点調査だけでも数百羽を数えます。ヨシ原が格好の隠れ家になり、銃猟禁止区域ということもあって、カモ類にとって安息の場所となっています。水質浄化にも大いに役立つといわれている、このヨシ原を将来にわたって残して欲しいものです。

嘉瀬川河口域

森林公園西側のヨシ原(カモ類の生息場所)

嘉瀬川の柳の河畔林

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