上津浦ダムは、天草上島の有明町を流れる二級河川上津浦川水系上津浦川に建設された多目的ダム(生活貯水池)です。高さ54m、長さ205m、総貯水容量46万7千m3の重力式コンクリートダムで、洪水調節、既得農業用水及び河川環境を保つための用水確保、水道用水の供給を目的としています。
上津浦川は狭小で急流のため、昭和47年の豪雨をはじめとした洪水により度々氾濫被害を受けてきました。また、上津浦川の水は、簡易水道用水や農業用水に利用されていますが、渇水時には水不足が生じています。上津浦ダム建設により、上津浦地区49ha(家屋約400戸、人口約1,100人、農地約45ha)の洪水被害の軽減及び農業用水の確保、また近隣地区を含めた2,800人への水道用水補給が可能となります。
本事業は、平成元年度に事業採択され、平成11年度に本体工事に着手、平成13年2月にダム本体コンクリートの打設開始、平成15年8月から試験湛水の開始、平成16年5月11日に竣工しました。平成16年5月20日には、国、県、町の関係者、地元地権者及び施工業者等が集まり竣工式が盛大に執り行われたところです。
上津浦ダム下流の晩田地区は熊本県の「ホタルの里百選」に選ばれており、ヘイケボタル、ゲンジボタル、ヒメボタル、オオマドボタルの生息が知られています。ダム下流の上津浦川改修工事では、ホタルの生育環境を守るため、ホタル護岸による整備を行い、地元の浦和小学校のみなさんと水草の植栽やカワニナの放流等を実施しました。
また、総合学習の一環として、ダムサイト下の広場には、地元の浦和小学校児童らによるどんぐりの苗木植樹が行われ、今後ますます人々の憩いの場としての利用が期待されています。
上津浦ダム周辺には、「四郎ヶ浜ビーチ」や「さざ波の湯」など観光スポットがありますので、足を運んでみられてはいかがでしょうか。
下記のリンクにアクセス頂くと、上津浦ダムのライブ映像を見ることができます。
ダムの目的には、大きく分けて次の四項目があります。
1) 洪水調節
2) 流水の正常な機能の維持
3) 利水(農業・水道用水等)の確保
4) 発電
これらのうち二つ以上の目的を持ったダムを多目的ダムといいます。
農山村等の地域において、不安定な水利用状況の改善と地域の安全・活性化に貢献するための小規模なダムです。
コンクリートで作られたダムで、貯水池からの水圧をダムの重量で支える形式のダムです。
ダム工事が一通り完成した後に、実際に貯水池に水を貯めてダム施設が正常に作動するか、法面対策や漏水対策など施工上の欠陥がないか等を調査するものです。
水のきれいな流れに棲む小さな巻き貝。ホタルは、カワニナを食べて育ちます。