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ダムや堤防、橋、水門、塔、トンネルなど、九州には、歴史的にも技術的にも優れた土木建造物が各地に点在しています。このコーナーでは、「日本の近代土木遺産」に指定されたこれらの建造物を、全4回のシリーズでご紹介します。


門司港駅舎(北九州市門司区)
JR鹿児島本線・大正3年/木モルタル(石張)建屋(腰折屋根)

大正3年2月1日に鉄道省の設計によって完成した木造2階建ての風格あるネオルネッサンス風建築物で、東京駅と並ぶ日本の名駅舎です。昭和17年に関門トンネルが開通するまで、九州の玄関口の役割を果たした九州最古の駅で、現在は門司港レトロ地区の象徴として広く人々に愛されています。昭和63年に鉄道駅として初の国重要指定文化財に指定されています。

■三池港・港口閘門・補助水堰(大牟田市)
明治41年完成・長37.5m、幅20.12m・対象船舶1万重量t/煉瓦閘門、単純・合掌戸(鋼)、5門(補助水堰)
■遠賀川水源地 第1ポンプ室(中間市)
明治43年完成/煉瓦建屋(切妻屋根、2棟)
■国鉄志免竪坑櫓(糟屋郡・志免町)
昭和18年完成(昭和41年閉山)・高52.2m/RC立体ラーメン
■部埼灯台(へさきとうだい)(北九州市・門司区)
明治5年完成・高9.7m/石灯台
■小森江第1配水池排気塔・塩素滅菌室・調整井(北九州市・門司区)
明治44年完成(廃止)/煉瓦モルタル建屋
■折尾駅舎(北九州市・八幡西区)
大正6年完成/木建屋(寄棟屋根)
■矩手水門(苦楽橋)(三池郡・高田町)
明治32年完成・扉幅2.00m(3門)、高3.00m、補強アーチS4.6m/煉瓦水門

1.門司港駅舎


広滝第一発電所(佐賀県脊振村)
城原川・明治41年/煉瓦建屋(切妻屋根)

脊振村の南部にある、九州で初めてできた九州電力の水力発電所で、157万個の赤レンガを使ったといわれている建物は周辺の自然にとけ込みレトロな雰囲気を漂わせています。現在もタービン3基によって約1,500kWの発電量が送電されており、現存する現役の煉瓦発電所としては日本で2番目に古いものです。見学はできませんが、近くまで行くことはできます。

■鳥栖駅舎(鳥栖市)
明治44年完成/木建屋
■(旧)古賀山炭鉱 竪坑(多久市)
大正6年完成(廃止)・高25m/RC立体ラーメン

2.広滝第一発電所


針尾無線塔(長崎県佐世保市)
大正11年・高137m(2基は135m)・径12.12(3基)/RC構造

太平洋戦争の開戦指令「ニイタカヤマノボレ」の暗号が、ここからも発信されたとして知られる3基のコンクリート製無線塔で、旧海軍が大正7年から4年の歳月をかけて完成しました。その巨大な姿は、大正期RC構造としての技術の頂点を極めたもので、平成9年までは現役で使用されていました。現在は海上保安部が管理しており、立ち入ることはできません。

■小菅修船架・跡(ソロバン・ドック)・(旧)巻揚機小屋(長崎市)
明治元年完成(昭和52年修復)/国史跡・1000t級パテント・スリップ方式(レール2条)、石護岸
■山の田浄水場 第1砂倉庫(佐世保市)
明治41年完成・木(石壁)建屋(切妻屋根)
■前畑地区煉瓦造弾薬庫群(佐世保市)
明治末期~大正初完成・20棟・煉瓦建屋
■竹敷海軍要港部・跡の石造施設群(下県郡・美津島町)
明治10年~29年完成・石護岸、石堤防、石ドック(空積)
■灯台記念館(西彼杵郡・伊王島町)
明治10年完成・無筋C建屋(奇棟屋根)
■口之津灯台(南高来郡・口之津町)
明治13年完成・高6.6m・煉瓦灯台(八角形)

3.針尾無線塔


郡築三番町樋門(熊本県八代市)
明治33年・幅29.07m(10門)・高5.5m
石水門(排水・アーチのみ煉瓦)

明治32年に当時の八代郡で始められた郡築干拓は、明治38年に完成し、群が築いたので、「郡築」と名付けられました。三番町樋門は明治33年に建築された、築造当時の姿をそのまま残す石造アーチ式10連樋門で、石水門としては日本で現存する最古のものです。設計は熊本県技術士だった川口虎雄で、当時のお金で12,590円かかったという貴重なものです。

■(旧)万田坑 第二竪坑櫓・巻揚(荒尾市)
明治41年完成(廃止)・高18.89m・鋼立体トラス、煉瓦建屋(切妻屋根)
■熊本機関車庫二号(熊本市)
大正3年完成・4線(59.8m×20.3m)・煉瓦建屋(切妻屋根)
■熊本市(旧)水道記念館(熊本市)
大正13年完成(廃止)・煉瓦建屋
■人吉機関庫(人吉市)
明治41年完成・3線(103.26m×20.65m)・石建屋
■寺島灯台(三角町)
明治31年完成・高11.0m・石灯台(円形)

4.郡築三番町樋門


海軍航空隊(旧)掩体壕群(大分県宇佐市)
昭和18年・幅24.0m・奥行き10.9m(10基)

宇佐海軍航空隊は練習航空隊でしたが、太平洋戦争末期には、多くの若者がここから飛び立ちました。掩体壕群(えんたいごうぐん)とは軍機の格納庫のことで、主に戦時中に敵の襲来から戦闘機を守るために造られました。宇佐の掩体壕は今も10基あり群としては国内でも唯一のものです。この中の城井第一号掩体壕は平成9年に史跡公園となり、近くの3基は農業倉庫となっています。

■(廃)豊後森機関庫(玖珠郡・玖珠町)
昭和9年完成(昭和46年廃止)・径47.84m(13線)・RC造(扇形)
■水ノ子島灯台(南海部郡・鶴見町)
明治37年完成・高39.25m・石灯台
■豊後水道海事資料館(南海部郡・鶴見町)
明治37年完成(平成元年改修)・煉瓦建屋(奇棟屋根)

5.海軍航空隊(旧)掩体壕群


都井岬灯台(宮崎県串間市)
昭和4年・高15m/RC灯台(八角形)

宮崎県の最南端にある240mの断崖の上に立つ真っ白な灯台で、日向灘をはじめ、黒潮流れる海と青い空にその白い姿が映えて、南国の観光地らしい景勝を作り出しています。施設の屋根を陸屋根として周囲に欄干を設け、高さ15mの灯塔から出入りできる整備がされた屋根庭園は、建設当初から設計されていた斬新なもので、日本の灯台50選にも指定されています。

■鞍埼灯台(南郷町)
明治17年完成・基礎上高9.70m・C灯台(12角形)
■黒比発電所(清武町)
明治40年完成・石建屋(寄棟屋根)・最大200kW

6.都井岬灯台


大田発電所 (鹿児島県伊集院町)
神之川・明治41年 /石モルタル建屋 (切妻屋根・八角塔)

明治41年に島津家の自家 用発電所として造られたもので、八角塔が附随する特異な構造の、風格ある石造りの建物には島津の家紋が入っています。当時の電気は串木野神岡鉱山に送られていましたが、現在は九州電力の水力発電として、伊集院町周辺に供給されています。フェンスや鉄塔に囲まれたこの建物は、A級近代土木遺産に指定されています。

■山田の凱旋門(姶良郡・姶良町)
明治39年完成・高4.71m、幅4.88m・奥行1.21m  /切石布積

7.大田発電所

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