一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        
CONET2003「ロボQ」出展について

国土交通省 九州技術事務所
 機械課 主任
湯 浅 祥 次

国土交通省 九州技術事務所
 機械課 機械調査係長
久保田 孝 行

1 はじめに
本年9月4日から6日までの3日間,CONET2003「建設機械と新施工技術展示会」が千葉市の幕張メッセで開かれた。(写真ー1)「夢ある未来を拓く先進の建設技術」をテーマに国内外の建機メーカーや大手建設業者,官公庁・建設関連団体など155社が出展し,4万人を超す来場者があった。国土交通省九州地方整備局九州技術事務所としても無人化施工技術として,㈱フジタと共同開発した簡易遠隔操縦装置「通称:ロボQ」を出展したので報告する。

2 ロボQについて
簡単にロボQについて説明する。この装置(写真ー2)は,土砂災害などの二次災害の恐れのある復旧作業に迅速に対応するために開発した装置で,バックホウの運転席部に人に代わって運転レバーを操作するロボットを搭載し,無線で遠隔操作するものである。装置の特徴は次の通りである。
①市販のバックホウを改造せず遠隔操縦化が可能
②装置の着脱は短時間で簡単(2・3人で2~3時間)
③持ち運びが容易なサイズに分割収納

なお,オペレータは携帯ユニットのジョイスティックの作業レバーを動かし,ロボQのアームが動くことでバックホウを稼働することができる。また,頭部にカメラを設置しているため,約150m離れた場所からでも映像を見ながら遠隔操縦が可能となっている。

3 出展状況について
出展にあたっては,実際のロボQの操作や動きを見てもらうため,屋外展示場にロボQを搭載したバックホウを用意し,デモンストレーションを行った。また,デモンストレーションは同省北陸地方整備局北陸技術事務所で開発された無人化施工システム「共用変換器」と続けて行い,それぞれの特徴を比較して紹介した。
屋外ということで日差しがきつい中ではあったが,1日に約4回のデモンストレーションを行い,毎回80人程度,合計で約1,000人の方々に見学して頂いた。(写真ー3,4)

また,デモンストレーション終了後は,装置を間近で見学して頂き,詳細な説明及び質疑応答を行った。見学者は建設業関係者や官公庁関係者,大学の教授,学生など様々で,意見や質問が多数出された。(写真ー5)
質問は,開発の目的,操作性や操作距離に関すること,装置の価格,稼働実績に関することが多く,大学の教授や学生からは,装置の機構やシステムに関することなど,専門的な意見や質問が多かった。
質疑応答では,稼働実績と実稼働での評価,さらなる性能の向上といった点を強く求められていることを感じた。実際,現時点でのロボQの実出動に関しては,活用方法等の周知不足や現場条件的な影響もあり,少ない状況である。しかし,平成14年度からロボQを一般工事での危険作業にも使用されるようになり,今後もそういった実績を積み重ねながら,災害時の実出動の機会も増えていくものと考えられる。また,九州技術事務所としては,実稼働で不具合事項や改善要望事項が発生した場合は,早急に検討・対処し,性能の向上に努めていく考えである。

今回の出展に関しても見学者からの意見として,オペレータがより臨場感を持った作業をするために作業時の振動をオペレータに伝達させる装置や,バックホウアタッチメントヘの応用についてなど今後の参考となる意見を戴いた。

4 おわりに
最後に,私自身が初めてCONETに参加・見学した感想を述べさせて頂く。CONETは,アジアにおける最大規模の建設機械および施工技術の展示会ということで出展数も多く,各ブースとも機械の実物や模型を展示するなど,来場者が見学し易く分かり易いものであった。屋外の猛暑の中の出展で体力を消耗し,各ブースをゆっくり見学はできなかったが,色々な知識を身につけることができた。出展者としてもロボQを大勢の方々に見て頂き,その技術と利用価値を十分理解して頂いたと思う。今後の活用に期待したい。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧