平成7年度 建設省重点施策7つのポイント
1 我が国は,住宅・社会資本の整備水準が欧米諸国と比べ立ち後れており,いまだ経済力に見合った豊かさを実感できない状況。
このため,国民一人一人が真に生活の豊かさを実感できるよう,国民生活の質の向上に政策の焦点を当てた生活者重視の政策展開の一層の充実が必要であるとともに,住宅・社会資本整備に環境,文化,福祉等を内在化させることが求められている。
2 一方,本格的な高齢社会の到来,製造業,農業等産業の構造変化,国際交流・協調の深まり等,我が国の社会経済情勢は大きく変化しつつあり,こうした変化を的確に見据えつつ,中長期的視野に立って国土の均衡ある発展,活力ある地域づくり,豊かさを実感できる生活環境を実現するための基盤となる住宅・社会資本の戦略的整備を図ることが必要であり,人口構成が若く経済に活力のある現在のうちに,活力とゆとりのある福祉社会を支える質の高い住宅・社会資本の整備を概成させておく必要。
3 また,国際社会との調和を図り,持続的な内需中心の経済成長を促進する観点からも積極的な公共投資,住宅投資を実施することが必要。
4 さらに,住宅・社会資本整備を取り巻く現下の状況に的確に対応し,国民の理解を得ながら着実にその推進を図る観点から,公共工事の入札・契約手続の透明性,競争性の一層の向上,コスト低減に向けた取組の推進を図るとともに,規制緩和や地方分権等の行政改革の観点を踏まえつつ,建設行政の展開を図る必要。
以上を踏まえ,平成7年度においては,①生活者を重視した政策の一層の充実,②活力ある地域,21世紀の国土を支える基盤の整備充実,③建設・建築コストの低減と公正で信頼できる公共事業等の推進の3点を主要課題として設定し,以下の7つの主要な具体的施策を推進する。
1.ゆとりある住生活の実現
(1) 都心居住の推進
(2) 魅力ある地方居住の推進
2.快適で質の高い生活空間の整備
(1) 生活福祉空間づくり
(2) 水・緑豊かな環境づくり
(3) 美しいまちづくり
3.安全で利便性の高い国土基盤の整備
4.活力ある地域基盤の整備
(1) 「地域連携の軸」の形成の推進
(2) 農山村地域の総合的整備
5.高度情報社会の実現に対応した基盤づくり
6.総合的な渇水対策の推進
7.建設・建築コストの低減と公正で信頼できる公共事業等の推進