台形CSGダムの設計・施工等に関する勉強会 in 九州
国土交通省 九州地方整備局
河川部 河川工事課
ダム係
河川部 河川工事課
ダム係
藤 田 心 平
キーワード:台形CSGダム、開催報告
1.はじめに
台形CSGダムは施工事例が少ないダム型式であり、本明川ダムが九州初の台形CSGダム(嘉瀬川ダム副ダムを除く)となるため、台形CSGダムの設計、施工、管理に関する様々な技術的課題等について、関係者が議論・情報交換を行い、効率的な事業執行やダム事業に従事する職員の技術力向上を目的として、北海道開発局、東北地方整備局、九州地方整備局で「台形CSGダムの設計・施工等に関する勉強会」を設立した。第1回勉強会を令和6年12月19日(木)、20日(金)に本明川ダム工事事務所にて開催し、北海道開発局、東北地方整備局、九州地方整備局、(一財)ダム技術センター、本明川ダム工事事務所で1日目35名、2日目28名が参加した。
2.台形CSGダムについて
ダムの建設においてはこれまで多くの技術開発がなされてきたが、今日の社会情勢、経済情勢の下で、より一層のコスト縮減および環境保全等に配慮した技術開発が求められている。台形CSGダムはそれらに配慮した材料・設計・施工の合理化に資する工法である。
図- 1に台形 CSGダムの標準断面を示す。台形CSGダムは、堤体材料としてCSGを用い、堤体底面のCSGには、基礎岩盤との密着性に配慮して富配合のCSGを用いることとしている。
CSG(Cemented Sand and Gravel)とは建設現場周辺で手近に得られる材料を、基本的に分級・粒度調整、洗浄を行うことなく、必要に応じてオーバーサイズの除去や破砕を行う程度で、セメント、水を添加し、簡易な施設を用いて混合した材料であり、CSG工法とはこのCSG材料をブルドーザで敷均し、振動ローラ等で転圧することによって構造物を造成する工法の新しい型式のダムである。

3.勉強会開催について
(1)各事務所からの事業紹介及び情報提供
各整備局から幾春別川ダム、成瀬ダム、鳥海ダム、本明川ダムの事業紹介及び、情報提供をいただき、当時ダム本体施工中であった成瀬ダムから台形CSGダムの合理化として、工程上クリティカルになる保護コンクリートの設計についての提案等が挙げられた(写真- 1)。

(2)台形CSGダムに関する課題の意見交換
台形CSGダムに関する課題の意見交換では、取水塔を堤体から独立した構造にすることで、堤体打設との工程の影響を減らす検討をすべき等の提案やコンクリート材料であるセメントのフライアッシュが今後入手困難となることを懸念し、フライアッシュの代替となる材料がないか等の意見が寄せられた。また、その他多くの設計・施工に関する問題や技術的提案についての意見交換が行われ、今後台形CSGダムを設計、施工に従事する職員にとって有意義な意見交換となった(写真- 2)。

(3)ダム技術センターによる講話
(一財)ダム技術センターの職員に参加いただき、台形CSGダムの基本的考え方についての講話をいただいた(写真- 3)。

(4)現場視察
2日目には、本明川ダムの現場にて、本明川ダムの基礎処理についての説明とグラウチング試験のボーリングコア観察を行い、またCSG材の母材山法面の現場視察を行った(写真- 4、5)。


4.おわりに
本勉強会の設立により、台形CSGダムについて様々な課題や検討内容について意見交換を行うことができ、今後の効率的な事業執行および職員の技術力向上に寄与する勉強会ができたと考える。ダム建設は各段階によって様々な課題に直面することが考えられるため、今後も継続して本勉強会より意見交換および現場視察等を行っていきたい。