狩立・日ノ峯ダムは、佐賀県杵島郡山内町を流れる一級河川松浦川水系狩立川とその左支川日ノ峯川に建設された、洪水調節、既得取水の安定化・河川環境の保全、水道用水の安定確保を目的とする多目的ダムで、堤高はいずれも28.4m、堤頂長(狩立ダム)177.0m(日ノ峯ダム)112.0m、総貯水容量1,790千m3の重力式コンクリートダムです。
当ダムの特徴は、低い山体を隔てて流下する狩立川と日ノ峯川が最も接近した位置に2ダムを築造し、両貯水池を連絡水路トンネルと連絡洪水吐(開水路)で結び一体運用するところです。
利水運用に対しては、水路トンネル(L=148m・内径2.0m)で両貯水池を連絡し、一方、洪水調節については両貯水池間の尾根を開削して開水路(L=116m・底幅4.0m)を設け、狩立ダムのみに常用洪水吐、非常用洪水吐を設置しています。すなわち、洪水処理は日ノ峯ダムよりいったん狩立ダム貯水池に導き、すべて狩立ダムで行う計画です。
平成11年5月に本体コンクリート打設を完了し、平成12年9月には試験湛水を前にダム湖に沈む古里の面影を心に刻み、後世に語り継ぐため「湖底まつり」が催され、慣れ親しんだ地域に別れを告げました。
その後、試験湛水も順調に進み、平成13年11月2日に国・県・町の関係者、地元地権者及び施工業者等が参加して、竣工式が盛大に執り行われ、ダムの完成を祝いました。
取水を前にして地元町民によりダム下流の河川清掃がおこなわれるなど、流域の治水対策はもとより、渇水に悩まされた当地域の水源の安定確保施設として期待が大きく、その機能を発揮する時期が間近となりました。
●本体工事状況(狩立ダム・右岸より)
●竣工式
●狩立・日ノ峯ダム
●竣工式
●湖底まつり