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開発インター事業の計画と施工

日本道路公団九州支社
 技術部交通技術課長代理
畔 田 雅 裕

日本道路公団九州支社
 宮崎工事事務所 宮崎工事長
(前)日本道路公団九州支社技術部
 保全第一課長代理
瀬 戸 義 信

日本道路公団九州支社技術部
 保全第二課長代理
上 川 裕 之

1 はじめに
JH九州支社では,開発インターチェンジの事業として,新門司,筑紫野,広川(以上,福岡県)および益城熊本空港(熊本県)の4箇所を実施しており,新門司は,平成5年3月31日に供用している。残り3インターの内,筑紫野と広川は平成9年度の供用を目標に舗装・施設工事を施工しており,益城熊本空港は土工工事を施工している状況である。ここでは,開発インターチェンジ計画の流れと概要および現在施工中のインターチェンジの施工状況等について紹介する。

2 開発インターチェンジの事業計画
(1)概要
① 開発インターチェンジ事業
開発インターチェンジとは,供用中または建設中の高速道路の沿道において,都市開発事業,工業団地造成事業等の開発が行われる場合において,NTT無利子貸付金の活用により,JHの負担なく開発者の負担により新たなインターチェンジを整備するものであり,このインターチェンジの設置により開発事業の促進を図り,地域振興に資するものである(図ー2参照)。
NTT無利子貸付金制度(正式には「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」という。)は昭和62年9月4日に公布され,平成元年1月31日に開催された第28回国土開発幹線自動車道建設審議会において,この制度を活用した開発インターチェンジの事業化が決定されている。

② 法的手続き
道路に連結させる道路の当該管理者(ここでは連結道路管理者という。)は高速自動車国道法第五条の規定により定められた整備計画に基づき,同法第十一条第2項の規定により連結許可を受ける法的手続きを行う必要がある。建設省において,インターチェンジの増設条件調査の際に費用負担方法,採算性,交通量の検討,周辺地域の開発計画,交通利便性の向上等の評価がなされ,国土開発幹線自動車道建設審議会に諮られたのち整備計画決定され,JHに対して施行命令が下される。
③ 費用の負担
開発インターチェンジの事業費は基本的に開発者が負担する。開発者は建設費の47.5%の部分を建設期間中に支払い,残りの52.5%についてはNTT資金をJHが無利子貸付を受け,その貸付金を償還するのに合わせ(償還期間20年。5年の据置期間を含む。),JHに分割払いする。
④ 財産の帰属管理区分
開発者は道路法第24条に基づく承認申請を行い,これに対してJHは,自ら工事を行うことを条件に承認を与える。従って,建設されたインターチェンジについては,財産はJHに帰属され,管理もJHで行うことになる。これについては,JHと開発者との協定の中で明記することになる。
⑤ インターチェンジの設置位置および幾何構造
道路構造令およびJH設計要領に基づき,高速道路本線交通の走行上の安全性,円滑性を十分確保できるよう,諸基準を満足する設置位置および幾何構造とする必要がある。

(2)事務手続きの流れ
一般的な事務手続きの流れを図ー3に示す。

(3)九州地区の事業状況
九州地区における事業状況を表ー1に示す。

3 施工状況
現在施工中のインターチェンジの工事概要は,表ー2のとおりである。

(1)筑紫野インターチェンジ
当インターチェンジは,九州自動車道太宰府~鳥栖ジャンクション間に計画され,平成5年6月22日に協定締結を行い,土工工事を平成7年6月に発注した。現在は,舗装,標識,造園および施設関連工事を工程調整しながら施工中である。

(2)広川インターチェンジ
当インターチェンジは,九州自動車道久留米~八女間の広川サービスエリアに併設して計画され,平成3年1月8日に協定締結を行い,用地買収に一部苦慮し土工工事を平成7年12月に発注した。現在は,舗装,標識,造園および施設関連工事を工程調整しながら施工中である。

(3)益城熊本空港インターチェンジ
当インターチェンジは,九州自動車道熊本~御船間に計画され,平成5年10月18日に協定締結を行い,土工工事を平成8年11月,ランプ橋(鋼上部工)工事を平成9年10月に発注を行い鋭意進捗を進めるべく施工中である。

4 あとがき
紹介した内容は,開発インター事業として,JH施工分の施工内容である。料金所からアクセス道路までは各々の道路管理者である福岡県および熊本県が鋭意施工中であり,供用までの工程調整を図りながら関係機関と協力して一日も早い供用を目指して施工していく予定である。

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