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監理技術者制度
―16年ぶりの本格的改正―

昭和62年6月に公布された建設業法の一部を改正する法律が,昭和63年6月6日から施行されました。
今回の改正は,昭和62年1月の中央建設業審議会答申「今後の建設産業政策の在り方について(第一次答申)」を受けて行われたものであり,建設市場に不当に参入している不良・不適格業者を排除し,「技術と経営に優れた企業」が成長できるような条件整備を行うことをその主眼としています。
本稿は,改正を行った建設業法の中から,とくに,読者になじみ深い監理技術者制度について略述します。
指定建設業に係る特定建設業者が,工事現場に置かなければならない監理技術者については,特定建設業の許可基準で必要とされる専任技術者と同様に国家資格者等でなければならないこととした。
建設工事の適正な施工を確保するためには,営業所ごとに一定の能力を有する技術者を置くとともに,工事現場に一定の施工管理能力を有する者を置いて工事の施工の技術上の管理を行わせることが必要です。このため,発注者から直接請け負った特定建設業者が,2,000万円(ただし建築工事業については3,000万円)以上の工事を下請に出して施工する工事現場には監理技術者を置かなければならないこととされています。
また,この工事現場に置く監理技術者は,特定建設業の許可基準で必要とされる専任技術者と同一の能力を有するものでなければならないものとされています。
このため,指定建設業に係る特定建設業の許可基準の改正にあわせ,指定建設業に係る監理技術者についても,国家資格等でなければならないものとしました。
指定建設業に係る建設工事で国,地方公共団体等が発注者である工作物に関するものに専任で置かなければならない監理技術者は,指定建設業監理技術者資格者証(以下「資格者証」という。)の交付を受けた者でなければならないこととし,発注者は,資格者証の提示を求めることができることとした。
公共性のある工作物に関する重要な工事について,工事現場に置かなければならない監理技術者は,工事現場ごとに専任でなければならないこととされています。
今回の改正は,公共性のある重要な工事のうち指定建設事業に係る建設工事で,国,地方公共団体,法人税法別表第1に掲げる公共法人(公団,事業団等)等が発注者であるものに置かなければならない監理技術者については,専任性をより有効に担保し,工事のより適正な施工を確保するため,発注者が容易に監理技術者を確認できるように資格者証を発行することとしたものです。
① 資格者証の交付は,指定建設業に係る監理技術者となる資格を有する者の申請により行い,有効期間は5年間としました。
② 資格者証の交付等の事務は,建設大臣が指定する者に行わせることができることとしました。
③ 資格者証の交付等の手数料は7,500円としました。
これまで述べたように,監理技術者は,下請業者を適切に指導・監督するという総合的な役割を担うため,主任技術者に比べてより厳しい資格や経験の要件が求められます。

また定められた国家資格を持っている人は,上表の規定によらず,主任技術者,監理技術者になること力てきます。
 (企画部技術管理課提供)

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