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九州技報 第2号 巻頭言

九州地方建設局長
帆 足 建 八

活力ある経済社会と安全で快適な国民生活の実現をめざす建設行政にあって,厳しさを増す財政状況の下で引き続き社会資本整備の充実を図っていくためには,事業の効率化が重要な課題となっている。
しかし,公共的性格の強い建設事業においては,新技術の導入に起因する失敗が容認されがたい等の理由から,ややもすると新技術の活用に慎重にならざるを得ない面があるなど,技術革新の面で他産業に比較して,やや立ち遅れている面が見受けられる。
一方,近年のニューメディア,メカトロニクス,新素材等に代表されるいわゆる先端技術の分野ではその進歩が極めて著しいことから,これらの先端技術を建設分野に活用できれば,昭和20年代後半に大型建設機械の導入によって,日本の建設技術が急速に発展したように,建設技術が飛躍的に向上することが期待できる。
このため,先端技術を含めた新技術を活用して建設分野における技術革新に本格的に取り組むことが今後共重要であると思われる。
また,特に九州地方では,
(1) 台風常襲地帯でかつ梅雨期の集中豪雨が多いこと
(2) シラス等の特殊土嬢が広く分布していること
(3) 有明海周辺に超軟弱地盤が幅広く分布していること
(4) 地形的な制約から主要都市が海岸線に発達し,各都市間は急峻な山岳地や海岸線で隔てられていること
等から建設事業を実施する場合に大きな制約条件となっており,今後の技術的な課題が山積している。さらに九州では,道路整備率,直轄管理河川の整備率,下水道の総人口普及率のどれをとってみても全国平均を下回っており,九州全体の浮揚を図る意味からも,これらを全国平均に近づけるよう社会資本の整備を進めていかなければならない。
以上の意味からも,最新の建設技術ならびに技術開発に関する情報が満載された本誌に期待されるところは大きく,今後の御活躍をお祈りする次第である。
(昭和62年11月)

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