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福岡国道事務所における「橋梁メンテナンス」の取組み
~土木学会2024年度 インフラメンテナンスチャレンジ賞を受賞~

国土交通省 九州地方整備局
福岡国道事務所
管理第二課長
古 賀 健 作

キーワード:メンテナンス、橋梁の老朽化対策、若手職員の技術力向上

1.はじめに
福岡国道事務所が管理する橋梁は、建設から50年以上経過したものが約50%を占め、平均年齢は52歳と九州の直轄国道の平均年齢よりも10歳程度高齢化が進んでいる。この様に老朽化が進む橋梁を長く大事に保全するためには、早期の損傷の発見が必要であり、5年に1回の近接目視による定期点検を実施しているが、老朽化が進む橋梁については、更に日常からのチェック体制を強化していくことが重要と考えている。
本稿では、福岡国道事務所における「橋梁メンテナンス」の取り組みについて、報告する。

2.取組概要
(1)橋梁の里親活動
平成26年度から若手職員のメンテナンス技術力向上のため、事務所の係長以下で40歳未満の若手技術職員を対象に、橋梁点検から補修までの基礎知識の講習会(座学)や点検作業への同行、対策区分判定会議、点検報告会への参加などを通して、自ら現場で体感し、メンテナンス意識と技術力の向上を目指して、若手職員の1人ひとりが老朽化した橋の里親となる「橋梁の里親活動」の取組みを実施している(写真- 1)。

写真1 里親(若手職員)による橋梁の点検状況

橋梁の里親活動は、維持管理業務を担当する技術職員に限らず、新設事業や交通安全事業などに従事する職員にも参加してもらい、事務所全体でメンテナンス意識と技術力の向上を図っている。
里親となった担当者は、点検結果や維持管理の方策を決めるためのプロセスに関与し、福岡国道事務所に在籍していれば、部署を異動しても同じ橋の維持管理に携われ、点検、診断、補修設計、工事の一連の流れを習得しやすくしている(図- 1)。

図1 里親メンバーの取り組みプラン

(2)福国橋守マイスター会
全国で導入されている「防災エキスパート」の制度を参考に、当事務所管内の道路の整備や管理に長年携わってきた九州地整退職者の方々に、道路メンテナンスの分野においても、豊富な経験等を生かして情報提供などに協力して頂くボランティアグループ「福国橋守マイスター会」を平成26年度に設立し、居住地近郊で見守りが可能な橋梁を担当して頂き、目視可能な範囲で、橋梁の老朽化、舗装の凹凸・クラック、段差、ジョイントの破損、高欄の異常等を速やかに通報して頂いている(図- 2)(写真- 2)。

図2 福国橋守マイスター会の枠組み

写真2 福国橋守マイスター会による自主点検

(3)福国橋守マイスター会と里親活動の連携
「福国橋守マイスター会」と「里親活動」で連携(タイアップ)を図り、九州地整退職者の経験や知識を若手技術職員への伝承・指導を行う機会を増やし、技術力の向上を目指している。特に「里親活動」と「福国橋守マイスター会」の取組みは共に平成26年度より長年に亘って継続しているところであり、多数の職員も参加していること、先輩職員が経験したことを直接伝承(点検、判定、補修)することから、若手職員へのメンテナンス理念の普及、技術者育成、技術力の向上に大きく寄与しているものと考えている(写真- 3)。

写真3 福国橋守マイスター会と里親による合同点検

図3 福国橋守マイスター会と里親活動の連携イメージ

4.おわりに
令和7年2月、「福国橋守マイスター会」による取組が維持管理の質の向上に寄与したこと、さらに、基礎知識の講習や点検作業の支援を行う「橋梁の里親活動」により技術者育成に貢献したことが評価され、「土木学会2024年度インフラメンテナンスチャレンジ賞」を受賞した(写真- 4)。
これまで、長年に亘って活動を続けられた皆様に、この場を借りて改めて感謝申し上げる。今後も橋梁の構造物としての安全性の向上や、維持管理の質の向上に向け、引き続き、橋梁のメンテナンスに取り組んでいきたい。

写真4 表彰状

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