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ウィズ・コロナ時代の安全・安心と
九州の発展を支える

国土交通省 九州地方整備局 局長
藤 巻 浩 之

九州は様々な山海の幸に恵まれた自然豊かな地域である一方で、地形・地質・気象などの自然条件から多様な災害リスクを抱えています。近年では令和2年7月豪雨による球磨川流域での災害や令和3年8月の前線停滞による北部九州での災害、記録的な勢力を保ったまま九州に上陸した昨年の台風14 号での災害など、気候変動の影響が目に見えて現れています。
このため、気候変動への適応策として治水対策の強化が急務です。「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を着実に進め、流域のあらゆる関係者が連携して減災・防災に取り組む「流域治水」を推進しています。また、気候変動の緩和策となる、再生可能エネルギーの利用促進に向けて、一般海域における洋上風力の促進や港湾でのカーボンニュートラルなど、脱炭素社会実現に向けた取り組みも推進しています。
令和3年8月の小笠原諸島の海底火山噴火では、軽石の影響により奄美大島の与論港において燃料タンカー船重油荷役不可の事態となりました。技術支援としてTEC - FORCE や協定団体を派遣し、入港支援、軽石回収の実証実験を実施しました。引き続き、様々な災害への対応力強化に努めます。
また、「九州の南北・東西軸を繋ぐネットワーク『クロス』から、クロスを中心にリングで新たに連結するネットワーク『リング』へ」をコンセプトに、今後とも、九州内主要都市や空港・港湾・主要鉄道駅等の交通拠点をつなぐ広域道路ネットワークを形成・強化します。
老朽化が進む道路施設への対応として、昨年4月に九州道路メンテナンスセンターを設置し、直轄国道における橋梁等の診断等や直轄事務所の修繕工事の技術的支援を進めています。このほか、これまでの専門的な技術力や知見、経験を活かし、地方自治体の皆様の道路構造物の保全に関する相談窓口も担っています。
また、建設分野の生産性向上に向けて、従来のi-Constructionによる働き方改革をさらに拡大します。九州の地域特性に特化したDX を実現するための行動指針等として「九州インフラDX アクションプラン」を昨年8月に策定し、令和5年をDXの「躍進の年」として、メタバースの活用や災害調査のデジタル化、UAVやAIの利活用などのデジタル技術を積極的に活用し、様々な分野で産・学と連携した改革を目指します。
建設産業は、地域の守り手として、災害後の復旧・復興を担う、地域にとって欠かすことのできない産業分野であり、若者が希望を持って働き続けることができる業界となることが大変重要です。地域の建設業の維持・発展のために「新・担い手3法」に基づく週休2日をはじめとする「働き方改革」やICT活用工事などによる「生産性向上」の取り組みを更に推進します。
今後も九州の持続的な発展に向けて、恵まれた地理的環境を活かしたゲートウェイ機能と安全で安心な地域社会を支える社会資本の整備・管理を推進していく所存です。

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