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九州地方建設局だより(九州技報 第2号)
企画部 技術管理課

1 第38回管内技術研究会
九州地方建設局第38回管内技術研究会が去る7月22日~23日九電ビルで行われ,共通,河川,道路の各部門に分かれた課題の研究発表の中から下記の課題が表彰されました。

2 第41回建設省技術研究会開催さる! —建設省技術研究会一
第41回建設省技術研究会(土木部会)が,10月27日から29日までの3日間にわたり,福岡県久留米市石橋文化センターで,約1,000名にのぼる参加者を得て盛大に開催されました。
本研究会は,建設技術に関する調査研究,工事に関する成果及び建設技術に関する創意工夫を発表し技術の向上と普及を図ることを目的として毎年行われているものです。
本研究会が九州地建管内で催されたのは,11年ぶりで3回目にあたります。初日は開会式が行われ廣瀬技監,上條土木研究所長,杉山国土地理院長,帆足九州地方建設局長の挨拶に引き続き,県立九州歴史資料館長の田村圓澄氏による特別講演「太宰府の成立」と題し行われ,近世の史実の克明な分析に基づいて,太宰府の歴史を中心に貴重な話を興味深く伺うことができました。午後からは,7会場に分かれ,2日間にわたって指定及び自由課題の各発表が一斉に行われました。
27日,28日の研究発表は指定課題13課題(共通部門4,河川部門5,道路部門4)に,自由課題81課題(共通蹄門26,河川部門27,道路部門28)の合計94課題の研究発表と討議が活発に行われました。各部門とも自由課題については現場に密着した調査研究が主である一方,指定課題については現在建設行政が直面している問題を幅広く取り上げてパネルデイスカッション方式により行われました。また,29日には秋空のもと,見学会が海の中道海浜公園コースと松原・下筌ダムコースに分かれて実施されました。

3 共同開発制度
近年,建設事業の分野においてもハイテク化,先端技術の導入が望まれている。
このことは高度の技術力が要求されることから個々の分野において優れた技術力を持つ民間企業との協力が不可欠である。また,建設事業の効率的な執行及び民間活力の活用の面からも,官民共同による新技術の開発を推進する必要がある。従来も土木研究所などでは行われてはいたが,今回地方建設局においても行われるよう九州地方建設局,共同開発実施要領を制定中である。
共同開発を行う対象としては次のものが考えられる。
① 新製品,新材料の開発及びこれに係る調査試験
② 新工法の開発,調査試験
③ 機械の開発,調査試験
また,開発に要する費用負担及び開発された工業所有権の取扱いを明確化することにより,官民共同の開発の促進を図るものである。本要領では共同開発を行おうとする者(九州地建内の工事事務所長)が新技術開発委員会(会長企画部長)へ上申する。委員会審議の結果,良であれば事務所長は複数の民間企業に対しプロポーザルの説明会を開催する。つまりプロポーザル方式により共同開発の相手側を選定するものであり以下,協定締結の運びとなる。

4 パイロット事業制度の実施状況
本誌「九州技報,創刊号」に掲載された,パイロット事業の実施状況を簡単に報告する。現在までに新技術開発委員会に図ー1,パイロット事業として採用されたものは次の2件である。

(1)TSC合成床版橋(トラス型ジベル橋)
提案者~福岡国道工事事務所
本橋は国道3号の筑紫野バイパスの原田緑道橋に架設されたもので,強度部材と型枠を兼用する鋼板の上面にコンクリートを打設して合成,一体化したものである。
長所として①桁高を低く重量の低減が可能なこと,②無支保工で施工出来ること,③現場工期が短縮出来る。ことなどである。
本件は既に試験工事は完成しており,現在調査結果を解析中である。これらがまとまりしだい委員会において評価することとしている。

(2)排水ポンプ設備の無給水型冷却システム
提案者~筑後川工事事務所
本設備は筑後川の江川排水機場に設置するものである。従来排水機場のデーゼルエンジンには,燃料系統,圧縮空気系統,冷却水系統など多くの補助機器が必要となり,これらが故障の一つの要因ともなっている。そこで,ラジエーターによる冷却方式の簡素化,セラミック軸受による潤滑方式の無水化,軸封水の無水化,減速機の潤滑油の空冷化を行うことなどにより,冷却系統の機器を無給水方式にするなどの改良簡素化を図る。
本件は現在,工事中であり昭和63年度に完成の予定であるが,その後調査,試験を行い,最終評価は65年となる予定である。
その他,民間企業から6件の提案がなされ,その内3件を幹事会に図った。これら3件については,各幹事の意見として優れた新技術ではあるが①汎用性が乏しい,②高価であるなどの理由もあって引き続き検討を重ねているところである。

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