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九州をつなぐ、九州を守る

国土交通省九州地方整備局長
村 山 一 弥


九州は、地形、気象などの自然条件から災害が発生しやすく、2016 年の熊本地震、2017 年の九州北部豪雨、2018 年の西日本豪雨、2019 年の佐賀県を中心とした豪雨災害と毎年のように大規模災害に見舞われており、さらに、2018 年度から桜島や阿蘇山をはじめとする管内の活火山の活動も活発な状況です。
九州地方整備局では、これらの災害の復旧・復興に全力で取り組んでいます。
熊本地震の対応では、2017 年に長陽大橋ルート(村道栃の木~立野線)を応急復旧。また、2019 年には俵山トンネルルートを全線開通させるとともに、2020 年度の開通を目指し、国道 57 号北側復旧ルート及び国道 325 号阿蘇大橋の復旧工事を全面展開しています。
2019 年 8 月の豪雨により甚大な被害が発生した佐賀県の六角川においては、治水対策だけではなく関係機関が連携し、住まい方の工夫やクリークの活用など流域一帯となった浸水対策を「六角川水系緊急治水対策プロジェクト」としてとりまとめ、再度の災害防止に向け、国、県、市町が連携し対策に取り組んでいくこととしています。
また、気候変動等に伴う水害の頻発・激甚化を踏まえて、事前防止対策を計画的に実施するため、大分川ダムや六角川洪水調整池などの洪水を貯留する施設の整備も行っています。
九州は日本の西端に位置し、首都東京から西へ約 900㎞離れていますが、中国の上海からも 1000㎞圏内にあり東アジアのゲートウェイとなっています。
東アジアからのインバウンドを中心に、日本全体に来航するクルーズ船の約 3 割が九州に寄港(2018 年) しています。増大する寄港需要および船舶大型化に対応するため、国際旅客船拠点形成港湾の指定を受けた佐世保港、八代港、鹿児島港および下関港では、新たなクルーズ船専用岸壁の整備を進めています。 地域経済の活性化だけでなく自然災害に対する道路の安全を確保し、災害時の救急救命・復旧活動を 支えるため、道路の防災・震災対策や、代替性の確保のための道路ネットワークの整備を推進しています。九州の中央部を東西に結ぶ九州中央自動車道は、2021 年内に日之影深角 IC ~平底交差点が開通を予定しており、高千穂峡をはじめ豊富な観光資源を有している高千穂町へのアクセス向上や熊本・阿蘇方面との地域間連携の強化によって、更なる観光振興が期待されています。また、道路の整備による所要時間の短縮や線形不良区間の回避により、救急医療環境の向上も図られています。
地域の担い手・守り手としての役割を担う建設業の生産性向上と働き方改革の推進に取り組んでいます。生産性向上については、3 次元データの活用をはじめとする i-Construction の取り組みを順次拡大しているところです。また、週休二日モデル工事の拡大や、施工時期の平準化等により、働き方改革を推進しています。2019 年 6 月に成立した新・担い手 3 法の理念を踏まえ、建設産業が、新 3 K(給与が良い、休日が取れる、希望が持てる)の業界となるよう、九州各県および市町村と連携して取り組みを進めていきます。
今後も建設産業の皆様とともに、九州をより活力ある、安全で安心な地域とするべく社会資本整備、国土強靱化に取り組んで参ります。

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