九州の魅力ある地域づくりの実現に向けて
社団法人 日本建設業連合会 九州支部長 松崎公一
社団法人日本建設業連合会は、平成23年4月に社団法人日本土木工業協会・社団法人日本建設業団体連合会(旧日建連)・社団法人建築業協会が合併し、わが国の建設業の発展に向けて、新たな活動を展開することとなりました。
新日建連では、土木と建築が一体となった総合的な活動のほか、土工協と建築協が多年にわたって担ってきた事業を承継し、九州支部も新日建連の九州支部として今までの諸活動を継続していくとともに、従来の支部役員及び総務広報・契約・積算資材・電力・鉄道・安全環境の6委員会のもと、旧土工協が培ってきた活動を引き続き展開して参ることとしております。
九州支部といたしましても、協会合併の初年度の「土台固めの時期」と位置づけ、本部の基本方針を踏まえながら、内外に開かれた新しい「日建連」として、「確かなものを 地球と未来に」というキャッチフレーズの下、社会基盤整備の必要性や建設業の役割の理解促進、地域の実情に即した諸活動を展開してまいりますので、尚一層のご指導とご協力を賜わりますようお願い申し上げます。
日建連では、社会資本整備の進め方や入札契約制度が抱える課題等について、受発注者共通の認識を持って取り組んでいくことが必要との認識から、毎年、公共事業発注機関と意見交換会を開催しております。九州では、6月に九州地方整備局をはじめ国、県、政令指定都市の14機関および日建連本部が出席し、社会資本整備の推進や入札契約制度の改善等について活発な意見を交わしたほか、東日本大震災の発生に伴う国土防災のあり方等も議論されました。
東日本大震災においては、救援物資の輸送は勿論のこと、津波が押し寄せる中道路上に避難し事なきを得た、サービスエリア・パーキングエリアが自衛隊や消防隊の中継基地になった、国道沿いの道の駅が避難者を受け入れ、水・食料・トイレを提供したなど高速道路網などの社会資本整備が果たした役割が見直されています。
台風の襲来、集中豪雨、火山噴火等多くの自然災害に見舞われる厳しい九州の自然条件や東南海・南海地震も想定されている中で、緊急車両の通行、救援物資の搬入、救急患者の搬出となる生命線の道路網の整備等、社会資本整備を急ぐ必要があります。
また、九州の地域特性を活かし、魅力ある地域づくりに資するための経済成長の基盤となるインフラ整備がまだまだ不十分です。
日建連九州支部としましては、社会資本整備の必要性については、これまでも土工協時代から「100万人の市民現場見学会」を立ち上げ、なるべく多くの市民に工事現場を体感してもらい社会資本整備の必要性を説き、理解を得ることにも取り組んできました。災害による被害・影響を最小限に留め、安心・安全な生活を守る予防対策として将来を見据えた社会資本整備の必要性をさらにアピールし、また、成長促進型公共事業の強力な推進についても活動を強化し、活力ある九州づくりの一翼を担えればと考えています。