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「住みよいふるさと宮崎づくり」をめざして

建設省 宮崎工事事務所
 所長
安 田 泰 二

1 はじめに
当工事事務所は,宮崎市(人口約30万人)に位置し,「住みよいふるさと宮崎づくり」を目指して大淀川・小丸川の河川事業,霧島山系大淀川支川高崎川の砂防事業,一般国道10号・220号の道路事業を実施している。

2 河川事業について
(1)大淀川は,鹿児島県末吉町の中岳を源流に,都城盆地を貫流し宮崎平野に出て支川本庄川と合流し日向灘に注ぐ幹線流路延長107㎞(河川延長は931㎞,うち建設省管理延長86㎞),流域面積2,230km2のー級河川。昭和3年に直轄事業に着手,堤防の整備は延長にして86%程度完成している。今後は,高岡町上流部,都城付近における狭さく部の掘削,宮崎市,都城市を中心とした堤防完成箇所での内水対策等が課題となっている。今年度の事業は宮崎市福島町における青柳排水機場のポンプ増設工事(現況10m3/sに30m3/sを増設)。無堤地区である都城市神竹地区の築堤工事の実施。さらに良好な環境整備を目的とした宮崎市下北方地区の大淀川河川敷において宮崎市と共同で実施する「水辺の楽校」並びに,樋門などの維持修繕,河川工作物の応急対策工事などである。

(2)小丸川は,県中部に位置しており,東臼杵郡椎葉村を源流として切原川・宮田川等と合流して日向灘に注ぐ流域面積474km2,幹線流路延長は75㎞(河川延長は149㎞,うち建設省管理延長13㎞)である。昭和25年から直轄事業に着手し,堤防の整備は延長にして92%完成している。今後は,河床低下対策や支川宮田川の流下能力の拡大を図るための河道掘削等の実施,堤防完成箇所における内水対策等が課題となっている。
今年度の事業は,支川宮田川における掘削および護岸の整備,樋門などの維持修繕などである。

3 砂防事業について
高崎川の砂防事業は,昭和27年に宮崎県において補助事業として着手されたが,上流域は霧島火山群を源頭部に持つ重・一般荒廃地域のため,昭和41年,43年,47年と橋梁流失や家屋および田畑等への土砂災害が繰り返されたこともあり昭和48年より直轄砂防事業として事業を進めている。平成10年度末までに整備している施設は,砂防ダム23基,床固工群2箇所,渓流保全工3箇所となっている。施設の整備とあわせ,土石流等をキャッチするためのワイヤーセンサー・振動センサーを3渓流に,火山活動や土石流の監視カメラを3基設置している。現在砂防ダム2箇所,床固工2箇所施工中。なお今後は,平成10年度に策定した「高崎川流域環境整備計画」を基に自然環境等に配慮した砂防事業を進めていく。

4 道路事業について
(1)一般国道10号では,以下の事業を実施している。
宮崎西IC関連(L=2.4㎞)事業は,国道10号のバイパスで且つ東九州自動車道宮崎西ICへのアクセス道路としての機能も兼ね備えた事業。平成12年1月にバイパス部(L=2.0㎞)の供用を,平成11年度末には東九州自動車道では県内で初めての供用となる清武JCT~宮崎西IC間(約10㎞)の完成に併せICアクセス部を同時供用の予定。なお,当バイパスの供用に伴い,交通特性が変化する現在の10号については,道路空間の再構築の為の事業を実施している。新富バイパス(L=3.0㎞)の1.7㎞については4車線で供用,引き続き2級河川一ッ瀬川に架かる日向大橋(老朽橋・昭和29年架設L=560m)の架け替え事業を実施している。この橋は「虹の橋」として地元に親しまれてきたため「景観検討懇談会」で検討を進めている。花見改良(L=2.0㎞)としてー級河川大淀川に架かる花見橋(老朽橋・昭和25年架設L=204m)の架け替えに向け用地買収を進めている。さらに,都城市の中心部において都城拡幅(L=3.9㎞)を実施しており既に1.8㎞供用,引き続き4車線化を推進する。また拡幅工事にあわせ,電線共同溝の整備も行っている。

(2)一般国道220号は日南海岸を通り観光宮崎のシンボルとしても重要な路線。しかし,「鬼の洗濯岩」として知られる宮崎層群(砂岩・泥岩の互層で形成された地層)の崩壊による土砂災害が頻発する路線でもある。このため32㎞に及ぶ異常気象時の通行規制区間が設定されている。規制解除を目的とした青島~日南改良事業を実施しており青島バイパス地区(L=3.1㎞)の用地買収,折生迫~内海間(L=2.8㎞)の調査,富土~小目井地区(L=2.3㎞)の12年末供用に向けた工事等を実施している。また,現道部の法面防災対策も進めており自然災害に強い道路づくりを目指している。

(3)高規格幹線道路については,九州縦貫自動車道の宮崎自動車道が昭和56年全線供用されている。今後は,九州の東側を縦断する東九州自動車道のうち基本計画区間である日南~鹿児島県境間約40㎞について整備に向けた調査を進めていく。
(4)地域高規格道路については,県内3路線のうち南九州の拠点都市都城市と重要港湾志布志港を連絡し高速道路網を補完する都城志布志道路(L=40㎞)の一部区間の都城道路(L=7.7㎞)について本年度事業に着手し6月には都市計画決定がされ,現在現地の測量等を実施している。
(5)そのほか道路の緑化対策の推進,情報BOX・電線共同溝の整備,高齢化社会に対応した歩道のバリアフリー化等もおこなっている。さらに2000年の九州沖縄サミット宮崎外相会合に向けて,宮崎北バイパスの4車線化,市中心部の舗装修繕,植裁等の剪定・補植,国際化に対応した標識の設置道路照明の更新等を行っていく。

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