●平成15年7月18日00時から19日09時までの総雨量
●博多駅上空より
●博多駅付近の浸水状況
●御笠川西月隈付近(福岡市博多区)
●片島地区(飯塚市)
福岡県は、台風と梅雨前線の影響を強く受ける地域で、昭和28年に西日本一帯を襲った大災害を始め、近年では平成2年、平成11年、平成15年とおおよそ約10年周期で大災害に見舞われています。
昭和28年災害では、県下各地で死者・行方不明者297人、家屋の全壊・流失4,633棟をはじめとする未曾有の被害を受けました。その後、河川改修事業が進むにつれ、洪水による犠牲者の数や浸水面積、頻度は減少していますが、土地利用の変化や資産の集中等により、被害が出た際の被害額は増加傾向にあります。
記憶に新しい平成15年災害では、福岡市を流れる御笠川上流域で時間最大104mmという短時間で記録的な豪雨となり、御笠川を始め支川が氾濫し、流域各地で浸水被害が発生しました。特に下流部には福岡市の中心となるJR博多駅が浸水し、JR、市営地下鉄双方の機能が麻痺するなど、都市型水害の脅威を見せつけられました。また、飯塚市でも浸水被害家屋2,000戸を越える甚大な被害を受けるなど、県内各地に大きな傷跡を残し、現在復旧事業を鋭意進めているところです。
災害から年月がたつと、すぐに洪水の記憶は人々の中から薄れてしまいます。現在、福岡県では大雨のとき少しでも雨水を川に流さないようにする方法として雨水流出抑制を推進していきたいと考えています。被害のあった流域自治体では国や県と一緒になって、災害を忘れないように毎年7月19日近辺に防災フォーラムを開催し、「防災」「減災」に関する呼びかけを行っています。
しかし、大事なのは行政の施策とともに、住民の皆さんが危機意識を持ち続けることです。一人一人が必要な情報を選択し、活用するための準備と心構えを持つことが大切です。双方が成り立って初めて、災害の「防災」「減災」につながるのではないでしょうか。
●飯塚市上空より(飯塚市)
●矢部川橋に体当たりする漂流物と激流(現・八女市) (引用:昭和28年八女郡水害誌 八女郡水害対策本部)
●花宗堰の堤防決壊の様子・筑後川(現・大川市) (引用:昭和28年八女郡水害誌 八女郡水害対策本部)