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九州地方計画協会

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 開催日 平成16年 11月18日(木)・19日(金)
 場 所

佐賀市

一級河川嘉瀬川(石井樋)

一級河川松浦川(アザメの瀬)

第11回目を迎えた「水辺だより」モニター会議が、佐賀市で開催された。今回は初参加の福岡県の中島さん、大分県の赤井田さんと再参加の佐賀県の山中さんが加わり、さまざまな川への熱い思いや要望をそれぞれに語られた。現地見学では、佐賀県が誇る成富兵庫茂安の偉業に触れ、積極的な質疑応答で盛り上がり、時間が足りなくなるほどだった。

参加モニター(一般・読者・敬称略)

天本 豊子さん (福岡県/21世紀の河川を考える会)
中島 重徳さん (福岡県/NPO法人福岡県ホタルの会)
赤井田久美さん (大分県/kukumi’s Natural工房)
川口 道子さん (宮崎県/「月刊情報タウンみやざき」刊行)
山野 真理さん (鹿児島県/水のえがおの会)
川野由紀子さん (熊本県/くまもと川の女性フォーラム)
山中 順子さん (佐賀県/元水辺だよりモニター)
酒井  勤さん (長崎県/倉屋敷川を愛する会)

モニター会議

総合学習で作った紙芝居で石鹸の作り方、環境にやさしい石鹸を紹介する大分県の赤井田さん

まず、佐賀県河川砂防課の田島さんが「自然災害が頻発し、あらためて国民の生命と財産を守る河川事業の重要性を感じている」とあいさつ。次にリバー・ナースの天本さんが「川に関わって50年近くになりますが、最近は治水、利水よりも川を愛するというように意識が変わっている。川が子どもたちの遊べる環境であってほしい」と発言。熊本県の川野さんは「いろんな方との話し合いで川に関わっている。水辺を歩ける散策路があればと思う」と発言。大分県の赤井田さんは「河原内ありがとうコンサート」について話し、環境に優しい石鹸を知らせる紙芝居を実演した。鹿児島県の山野さんは平成5年の8・6水害を思い出した話と「水のえがおキャンペーン」の状況を説明。さらに「『水辺だよりの』文章をもっと読みやすく」と要望。福岡県の中島さんは「ホタルの生態研究や情報交換を通じ、住民参加の水質浄化や水辺のあり方を提案・実施している」と発表。宮崎県の川口さんは「イカダ下りを続けているが、川はいろいろな自然をまとめて教えてくれる素晴らしい所だ」と話した。長崎県の酒井さんは「本明川の支流・倉屋敷川は大雨が降るとゴミと土が流され、ボランティアの会だけでは対処できない。維持管理を行政にお願いしたい」と訴え、自主制作のコミック本を紹介。佐賀県の山中さんは「数年前にモニターを経験し、どこに行っても川を見るようになった。今回は佐賀県出身の成富兵庫が話題になることが嬉しい」と発言。各県からも河川事業の現状が報告された。

「象の鼻」「天狗の鼻」で当時の土木技術を学ぶ

展望所で武雄河川事務所石井樋チームから説明を受ける

「石井樋」の中を身をかがめて見学

現地で熱心に質問するモニターの皆さん

現在、復元に向けて工事が進められている一級河川嘉瀬川の石井樋では、治水の神様といわれる成富兵庫茂安が400年前に成し得た貴重な土木工事に賞賛の声があがった。「象の鼻」や「天狗の鼻」の見学後、平成17年に水が入る予定の「石井樋」を見学。天井に彫られた「観音さん」を見て、モニターの皆さんは感動を深めていた。

佐賀県の山中さんは「もっとこの歴史的価値を多くの人に知らせてほしい」と要望。石井樋記念館の建設も予定されており、いずれは佐賀県の貴重な観光資源になるはずだ。

また、ニ級河川田手川の「田手川ふるさとの川整備事業」については、「歴史と自然~2つのロマンが出会う川」をテーマに植生や自然の護岸風景を重視して、現在も工事が進められている、と車中で説明を受けた。佐賀県は平成16年度新規事業として「水辺空間創出事業」も計画しており、地域住民と協同で川づくりを行いたいと意欲を見せた。

最後の見学地、一級河川松浦川「アザメの瀬」は、コイ、フナ、ドジョウなどの格好の産卵場である氾濫原的湿地環境を再生しようというもので、大人や子どもたちが多様な動植物と触れ合う機会を増やすという目標もある。大分県の赤井田さんは「とても勉強になります」と話し、福岡県の中島さんも産卵調査の写真やなまずが大量に捕れたという話に興味深そうだった。

強風の中、パネルを見ながら武雄河川事務所職員との活発な質疑応答がなされた

松浦川における「アザメの瀬自然再生事業」現地

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