郡川は、長崎県と佐賀県の県境に位置する多良山系に源を発して、大村市北部を東から西に横断し大村湾に注ぐ流路延長約15.9km、流域面積約55km2の二級河川です。
郡川は、昭和17年8月の災害を契機に昭和23年度から昭和31年度まで中小河川改修事業により整備が行われました。その後昭和32年7月25日の梅雨前線豪雨(諫早水害)により河道の流下能力を超過する災害が発生したため、昭和34年から昭和37年にかけて、治水対策と安定した維持流量・農業用水の供給、長崎市への水道用水の供給を目的とする多目的ダムとして萱瀬ダムを建設しました。しかし、昭和51年9月の台風17号により被害が発生した事や、大村市の水需要から水資源の開発の必要性が生じた事等から、萱瀬ダム再開発工事(嵩上げ)が進められ平成13年10月に完成しました。さらに、河川についても老朽化した河道の整備と合わせ、治水安全度を1/50まで向上させる工事が平成9年度より進められています。
郡川は、手付かずの自然が残り多様な生態系を有する河川であり、地元住民ばかりでなく地域外の人々も数多く訪れる川となっています。川の中では夏になると子供たちが水遊びに興じ、リバーウオッチング等の学習の場としても利用されています。また、内水面漁業権が設定されていることもあり、許可を受けた河口付近でのうなぎ塚漁、上流でのアユ・ヤマメ釣り等が行われています。中流域では、大村市の協力のもとサイクリングロードや桜づつみ等が整備されており、周辺では桜だけでなく菜の花・コスモス等の花が四季を通して見ることができ、市民の憩いの場となっています。さらに川でのイベントとしては、毎年5月に「川面に泳ぐこいのぼりの展示」、6月に「かっぱ祭り」、10月に「萱瀬ダムウオーク」等が開催されており、郡川は地域にも溶け込んだ川として愛されています。
そこで、『青く澄んだ水』、『緑の中を流れる風』、『鳥のさえずり』、『泳ぎ回る魚』、『子供たちのざわめき』…このすばらしい河川環境の保全を念頭に、今後とも地域住民に愛し続けてもらえるような河道計画を作成し、事業を進めていきたいと考えています。
●砂防公園
●萱瀬ダムウォーク
●砂防公園
●河川状況
●うなぎ塚
●桜づつみの中の「郡んかっぱ」の像
●かっぱ祭り