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ダムや堤防、橋、トンネルなど、九州には、歴史的にも技術的にも優れた土木建造物が各地に点在しています。このコーナーでは、「日本の近代土木遺産」に指定されたこれらの建造物を、全4回のシリーズでご紹介します。

多々良川・昭和8年・長204m /RC充腹アーチ

昭和8年当時としては珍しい鉄筋コンクリートの7連アーチ橋で、全体は御影石に覆われています。このようなデザインの橋は全国でも数が少なく貴重な存在であり、また、当時、なぜこれほどの巨大な橋が必要だったか、その建設目的は今も謎のまま。平成6年に還暦を祝って名島橋は美しく復元され、国道3号の道路橋として今も重要な役割を果たしています。

■南河内橋(北九州市八幡東区)
河内貯水池・昭和2年・長132.97m/鋼レンズ形トラス
■内田川橋梁(めがね橋)(赤村)
平成筑豊鉄道・田川線・明治28年・長13m/煉瓦拱渠
■けやきさか橋梁(香春町)
JR日田彦山線・大正4年/煉瓦拱渠
■佐井川橋(吉富町)
国道35号・大正9年・長81.0m/RC桁

1.名島橋(福岡市東区)

筑後川・昭和10年→昭和62年廃止→平成8年整備・長506.4m S24.20m(昇降桁)S46.80m(トラス)

筑後川にかかる世界でも有数の昇降式可動鉄橋。高さ30mの2つの鉄塔に挟まれた中央部が、エレベーターのように上昇して、大型船が自由に航行できるようになっています。完成した昭和10年には、東洋一の昇開橋として話題になりましたが、昭和62年の佐賀線廃止とともに廃止され、平成8年に、「タワーブリッジ遊歩」という名の遊歩道としてよみがえりました。

■栴檀橋(佐賀市)
神野公園・大正13年・長16.8m/石桁

2.筑後川昇開橋
旧筑後川橋梁(佐賀市諸富町)

中島川・明治23年→明治43年転用・長36.7m /錬鉄プラットトラス

明治23年に架設され、当初は新川口羽橋という名称でした。アメリカから輸入された錬鉄のピン結合のプラットトラス橋で、わが国の現役の共用道路橋では最古の貴重な存在です。明治43年に、木鉄混合の旧出島橋が老朽化したため現在地に移設され、「出島橋」となりました。全体が非常に華奢な印象で、当時の繁栄ぶりを示す、長崎を代表する近代遺産です。

■本河内低部堰提放水路橋(長崎市)
明治36年・長12.5m/RC充腹アーチ

3.出島橋/旧新川口橋(長崎市)

御船川・明治19年・長71.0m/石アーチ

東京の二重橋や日本橋、矢部の通潤橋などを造った名石工・橋本甚五郎、弥熊父子によって、明治15年から4年間の歳月をかけて架設された単一アーチ橋。1950年代までは主要道路の交通橋でしたが、新しい橋が架けられ、今は御船町指定の文化財となっています。明治時代建造の大型の石橋らしく、石組みはち密で、欄干と柱も凝った造りになっています。

■第1白川橋梁(長陽村)
南阿蘇鉄道・白川・昭和2年・長166.3m/鋼スパンドレル   ブレースト・アーチ

4.下鶴橋(上益城郡御船町)

寄藻(よりも)川・昭和16年ごろ→河川改修で伸延・長24.67m/木桁

八幡社の総本社・宇佐神宮の西参道を通る寄藻川に架けられた橋。その歴史は古く、起源は定かではありませんが、鎌倉時代には橋があったという記録もあり、室町時代には既に屋根付きの橋だったといわれています。現在の呉橋は、昭和16年ごろに造られたもの。大きな唐風の屋根、朱塗りの腰板、緑の格子窓、白い壁と色も華やかで、県の指定有形文化財です。

■山国橋(中津市/福岡県吉富町)
山国川・昭和9年・長214.4m/RC桁
■鳥居橋(院内町)
恵良川・大正5年・長55.15m/石アーチ
■鳴滝橋(緒方町)
緒方川・大正11年・長50m/石アーチ
■長瀬橋(緒方町)
緒方川・大正12年・長78.4m/石アーチ
■原尻橋(緒方町)
緒方川・大正12年・長73m/石アーチ
■らかんじ橋(本耶馬渓町)
山国川・大正9年・長89m/石アーチ
■耶馬渓橋(本耶馬渓町)
山国川・大正12年・長116m/石アーチ
■馬渓橋(耶馬渓町)
山国川・大正15年・長82.6m/石アーチ

5.呉橋(宇佐市)

耳川・昭和9年・長168.6668m /銅スパンドレル・ブレースト・アーチ

宮崎北部の耳川に架かる、堂々とした大きな2連の鋼トラスアーチ橋。建造は昭和9年で、九州で唯一残存するスパンドレル・ブレースト・アーチ橋として、学術上でも貴重な選奨土木遺産となっています。以前は国道10号が通っていましたが、現在は鉄道橋の下流に架かる「美々津大橋」が利用されています。平成8年に日向市の有形文化財建造物に指定されました。

■第3五ヶ瀬川橋梁(日之影町)
高千穂鉄道・五ヶ瀬川・昭和14年・長274.8m
RC方丈ラーメン・鋼ワーレントラス
■網ノ瀬川橋梁(日之影町・北方町)
高千穂鉄道・網の瀬川・昭和12年・長417.8m
RC開腹アーチ

6.美々津橋(日向市)

甲突川・昭和10年・長112.0m/RC桁

天保山は、天保年間に甲突川のはんらんを防ぐために川の土砂を積み上げて造られたところです。昭和10年に建造された天保山橋には、美しい和風高欄と灯籠があり、橋床には県内産花嵐石が使われています。2000年に「天保山シーサイドブリッジ」ができ、朝夕の渋滞も解消。甲突川に架かる平田橋から天保山橋までの河川両岸は、桜の名所として親しまれています。

■第3五ヶ瀬川橋梁(日之影町)
高千穂鉄道・五ヶ瀬川・昭和14年・長274.8m
RC方丈ラーメン・鋼ワーレントラス
■網ノ瀬川橋梁(日之影町・北方町)
高千穂鉄道・網の瀬川・昭和12年・長417.8m
RC開腹アーチ

7.天保山橋(鹿児島市)

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