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平成14年で9回目の「水辺だより」モニター会議は、宮崎市で開催された。現地見学は知福川と大淀川学習館、水辺の楽校、それに大淀川市民緑地、橘公園で、多自然型川づくりと親水型河川の実態をつぶさに観察することができた。今回はモニターの福岡県の下川要さん(牛頸ホタル部会)と大分県の大村和代さん(ゆずり葉)の2人の初参加のもとに、これからの「水辺だより」のありかたと、河川に対する意見が熱く交換れ、有意義な会議となった。

参加モニター(一般読者・敬称略)

福岡県   天本 豊子 21世紀の河川を考える会
福岡県 下川  要 牛頸ホタル部会
大分県 大村 和代 ゆずり葉
宮崎県   川口 道子 「月刊情報タウンみやざき」刊行
鹿児島県   山野 真理 鹿児島県水域美化推進協議会
熊本県   川野由紀子 くまもと川の女性フォーラム
佐賀県   山田 洋子 こどもECOクラブ
長崎県   宮本 秀利 島原ボランティア協議会

宮崎県の渡辺孝明河川課長が、宮崎県が豊かな自然と歴史に恵まれた観光県を目指していることを紹介。さらに「水辺だより」58号の一ッ瀬川の写 真が子どものころ親しんだ場所だったことに感激し、今後もこのような企画と編集を続けてほしいとあいさつした。

宮本「NPO法人島原ボランティア協議会」、「雲仙百年の森づくり」、「全国の災害救援ボランティア」の代表等を務める。雲仙普賢岳の災害を通して、川の怖さも教えるべき。「水辺だより」のすばらしい写真を、教育の一環に使う運動もするべき。川を守るために行政間の連携をお願いしたい。

山田「こどもエコクラブ」で環境の勉強を手伝い、子どもに昔のような川を戻してやりたいと活動。「水辺だより」は写真がすばらしい。60号から見やすくなった。夏の付録は子どもたちに喜ばれた。

川野「くまもと川の女性フォーラム」の活動と、「Hand to Land」の編集にかかわっている。「全国お宮さんの川サミットinくまもと」を開催。今後は熊本の水循環の問題にもっと力を入れたい

天本川にかかわって数十年。昨年から子どもと共に川で水生生物調査などをしている。機会あるごとに若い女性に川と水の大切さと国の施策をかみ砕いて説明している。「水辺だより」は非常に参考になっている。

山野「鹿児島県水域環境美化推進協議会」や、「水のえがおの会」で水に関する活動をしている。水の大切さを子どものうちから考えてもらうために、キャンペーンを続けていきたい。水の活動に関する県内のネットワークづくりを始めた。「水辺だより」は写真が美しく内容が豊富でイラストも効果的。川のいい面だけでなく、悪い面も取り上げてみたらどうか。

大村「ゆずり葉」という会で子どもたちに美しい日本を伝える活動をしている。江本勝さんの本で、言葉で水の波動が変化するということを知り、きれいな言葉や思いを伝えることが大事、と子どもに伝えたい。「水辺だより」は初めて見たが、もっと多くの人に見てもらいたい。

下川18年前からホタルを守る活動をしている。「水辺だより」には、川の自然の掟も紹介してはどうか。川と田んぼの関係を生き物のために正常に戻してほしい。川の名前のいわれも知りたい。

川口耳川の地名を考える会に参加し、川に依存した生活の面白さを追求したい。「水辺だより」は第一級の出来だが、川周辺の人をもう少し出してほしい。親水活動が盛んになっていい時代になった。利水という部分も知りたい。

全体の意見
●「水辺だより」の写真が素晴らしい。60号から読みやすくなった。
●多自然型川づくりと自然再生事業には、地域の人の力が求められる。今後に期待したい。
●「水辺だより」を通して、子どもたちの水への意識を変えていきたい。
以上のような、さまざまな意見が出されました。
今後は、モニター会議で出された貴重な意見を、編集部で検討し、本誌に反映させていく予定です。モニターの方々に心から感謝いたします

午後1時30分に集合し、最初に「こどものくに」の中を流れる地福川を見学。多くのモニターが「ここが川だったなんて知らなかった」と言うほど、知福川はリゾート地の景色に溶け込んでいる。

4年7月16日にオープンした「水辺の楽校」と共にリニューアルオープンした大淀川学習館には、すでに9万人が来場している。原生林やじゃぶじゃぶ池のある水辺の楽校を見学した後、大淀川市民緑地と橘公園に行き、多くの人々が大淀川に親しんでいる様子を見学した。

室見川は、博多湾に注ぐ全長15,141kmの福岡市2級河川です。脊振山系が源流で、その上流には約2kmにわたる清流と奇岩の渓谷や大小の滝も数あり、流域には遺跡や文化財も豊富です。

昔は、大雨でしばしば氾濫もしましたが、明治から大正にかけてダムや堰などが設けられ、昭和になると川は田園を潤しながら生物にも恵みをもたらし鮎も大量にのぼっていました。

しかし戦後になると宅地造成なども増え、時代を反映するように川の状況も極めて変わりました。

人々がふるさとの緑の価値の重要さに気付きはじめたのは、世の中が安定成長期になってからです。安全で安心できる川づくりと、潤いある、多様な生物の生息できる川づくりが展開され、環境美化への取り組みも、全国的に年々活発になりました。

こうして再び清流を取り戻した室見川では川の瀬や淵に魚や昆虫が生息し、葦原には野鳥も飛び交い、中流域は『ホタルの里』で有名です。昔から早春に産卵のため、のぼってくるシロウオは、心和む風物を醸し、河口付近ではシジミ貝、釣りを楽しむ人も多く、河畔公園も整備されていて市民の憩いの場となっています。

この夏、室見川流域に住む人たちは、その景観をいつまでも保護保全するために、行政(福岡市早良区)と一体となって『むろリンピック』を企画しました。

室見川だよ全員集合

『むろリンピック』は前日からの台風情報でその開催が危ぶまれましたが、当日は快晴となり、8月の眩しい日差しのもとで、河畔は大勢の人達で一杯となりました。

干潮の砂浜の清掃から始まり、小さい子も懸命にガレキのゴミを見つけていました。

作業が終わると、今度は干潟で生き物のお宝探し。父母、兄弟に手を引かれた幼児も喜々として加わり、手に手に川の収穫を掲げて、言葉はいらない自然体験です。

小中学生が提案したイベントは懸命力走のウォーターゲームです。若い外国人青年も交え、川底ドッジボール大会などで水辺は子どもが主役。参加する人、土手から応援する人、河原では凧づくりの名人も出場し、色彩満開で犬も水辺を駆けまわっていました。

この企画の素晴らしさは、水辺の潤いとともに自然の摂理を学び、生き物をとおして命と水循環の大切なことを、成長していく子どもたちに、やさしく体験してもらうことにもありました。

水辺の生き物たちにとって快適ですみ心地のよい川であること。それは人間にとっても望ましい川であることを子どもたちに教えながら、『むろリンピック』を企画した行政スタッフや地域の人達は、彼等にすべての命の尊さと水の大切さを忘れずに、健やかに育って欲しいと願いました。

気がつけば『むろリンピック』はもう夕日の中。水辺を満喫した子どもたちは手をとりあっていました。

この子たちが成長しても川は忘れられないものになり人生を輝かすことでしょう。

樋井川に捨てられた洗剤事件は驚きでした。生物環境を破壊する、極めて残念な事件でしたが、各機関のニュースでも大きく取り上げられ、また、市民も環境問題を意識し、川を大事に視ていることが明らかとなり、私は心づよい気持ちになりました。
みんなでやさしく川を守っていけば、きっと清流も戻ります。

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