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九州地方計画協会

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油木ダムは、豊前海に注ぐ二級河川今川水系今川上流に建設されたダムです。

ダムの役割は、大雨の時に洪水を一部貯留し下流地帯を洪水の被害から守る事、農業用の水を確保する事、水道用水の供給、工業用水の供給です。

昭和38年から建設を始め、昭和46年に完成し、今日まで31年間流域住民の暮らしを支えてきました。

しかしながら、31年間という長い歳月のため、施設の一部に不具合が生じており、正常な運用に支障を来すようになりました。このため、平成13年度から大規模な修繕に取りかかりました。この修繕は2回目であり、1回目は昭和56年から昭和60年まで行いましたが、1回目の修繕に行われなかった箇所の修繕を今回行います。

その中の大工事の1つが、今回紹介する、水道水用等にダムの水を取り入れる鉄製ゲートの取替です。このゲートは昭和46年の姿のままなので錆びたり腐食したりしており、スムーズな開閉ができず、必要な水を取れない可能性も出てきました。そのため、錆びに強いステンレス製のゲートに取り替えることになりました。しかしながら、取り替えるためには、ダムの水を空にする必要がありますが、空にしてしまうと農業用水、水道用水や工業用水が不足し生活に支障を来します。そこで、今回の修繕では、修繕する箇所を鉄製の板で囲い中の水を抜いてダムの水を落とさずに取り替える工法を採用しました。このことにより、生活に必要な水を確保しつつ必要な工事を行うことができる様になります。しかし、水深が30mとなり水圧も大きいことから細心の注意を払って行わなければならず、安全対策が重要となります。

また、油木ダムの下流には『源じいの森』と呼ばれる場所があります。この源じいの森はキャンプ場、アスレチック施設、交流センター等が完備されており、地域の憩いの場となっています。この源じいの森は今川の流れと一緒になった施設であるため、河川の水量がとても大事になります。油木ダムは、この河川水量が少なくなった時などにダム貯留水を放流させ水量を絶やさないという大事な役割も担っています。今回の修繕により貴重な水を無駄なく使うことができる様になるため、一層ダム下流の河川環境に寄与することと思います。

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