一般社団法人

九州地方計画協会

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八坂川は、大分県北東部の杵築市街地を通って守江湾へと注ぐ2級河川です。川の流域には州や淵が多く、ハマボウなどの植物群落や河川林が豊かに繁る、良好な河川環境にあります。また、河口には干潟が広がり、「生きている化石」といわれるカブトガニをはじめ、干潟の生物が数多く生息しています。しかし一方で、過去に何度となく発生した洪水によって、大きな被害を受けているのも事実です。最近では、平成9年の台風で、周辺の農地や人家が浸水の被害に見舞われました。そのため私たちは、緊急に洪水対策を行うとともに、学識経験者の方や地元の方々、小学校の生徒たちと一緒に、八坂川の環境を考えながら、河川事業に取り組みました。お近くにお越しの際は、ぜひ、八坂川の自然とまわりの環境に触れてみてください。

平成9年の浸水状況

カブトガニの産卵場の養浜と突堤

住吉浜の灯台付近で

「カブトガニを愛する会」の方々

カブトガニ産卵場の造成とモニタリング

産卵場の確保については、学識経験者や杵築市民で構成されている「カブトガニを愛する会」の方々と何度も話し合いを行い、養浜や突堤を設けました。

モニタリングについても、主に「カブトガニを愛する会」の方々がボランティアで行っています。また、この会の方々は、干潟の清掃活動やカブトガニ産卵の観察を行っています。

現河川を埋立てることによる、生物や木の移植

学識経験者や杵築市民そして、環境団体や工事関係者が一緒になって、網や素手で魚、貝、カニ、海苔のついた石など、多くの生物の命を、多くの人々の手で、新しくできる河川に移動しました。

大分県内で絶滅が危惧されている「ハマボウ」を、学識経験者の指導を受けながら新しい河川に移植しました。また、ハマボウの苗木を八坂小学校の生徒が育成し、6年生が卒業記念樹として、新しい河川の一部に植え込みました。この小学校は、平成9年の出水で浸水被害を経験しており、現在では、総合学習で八坂川の改修工事や河川環境について学んでいます。

「ハマボウ」の苗木の育成状況

県内で絶滅危惧されている「ハマボウ」

八坂小学校の生徒による「ハマボウ」の記念植樹の様子

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