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川は森林と海をつなぐ命の水脈、甲突川、桜島の現地視察、
そして意見交換と充実した会議になった。


■開催日/平成13年10月18日(木)~19日(金)

■場 所/ステーションホテル ニューカゴシマ(鹿児島市)

甲突川

桜島国際火山砂防センター

移設された西田橋

モニター会議

平成13年で8回目の「水辺だより」モニター会議は、鹿児島で開催された。現地見学は甲突川と桜島で、防災の最新の技術がそれぞれに生かされていた。今回はモニターの山田洋子さん(佐賀県・こどもECOクラブ)と、山野真理さん(鹿児島県・働く女性のネットワーク)が初参加され、新たな視点での意見も交換され、21世紀の水辺の輪が大きく広がった。

● 参加モニター(一般読者 敬称略)
福岡県 天本 豊子 21世紀の川を考える会
(九州整備局モニター)
福岡県 淵上 信好 遠賀川河川環境保全モニター
大分県 松村 紅実子 南蛮文化と大友宗麟を学ぶ会 ふらんしすこ
宮崎県 川口 道子 「月刊情報タウンみやざき」刊行
鹿児島県 山野 真理 働く女性のネットワーク 鹿児島切子倶楽部
熊本県 川野 由紀子 くまもと川の女性フォーラム
佐賀県 山田 洋子 こどもECOクラブ
長崎県 宮本 秀利 島原ボランテイア協議会
● 九州各県編集委員(県・九州整備局職員)

現地視察と熱のこもったモニター会議

【現地視察】

午後2時に集合したモニターたちは1年ぶりの再会を喜び、鹿児島県の山野真理さん、佐賀県の山田洋子さんが新たに参加された。車窓から甲突川見学。平成5年8月6日(8・6水害)当時の様子を聞いた。石橋記念公園では貴重な文化遺産として残された西田橋を見学、桜島国際火山砂防センターでは、土石流の恐ろしさと土石流対策などを学んだ。

【モニター会議】

鹿児島県土木部河川課牟田神課長あいさつ。鹿児島県は霧島屋久火山帯の桜島までに及ぶ火山県であり、県の北部の5割ほどはシラスという火山灰に厚く覆われており、災害がおきやすい状況の説明をされた。

次にモニター各自の活動状況や意見発表ののち、自由討論に入った。

渕上さん

大人たちだけが集まるより子どもたちを中心に活動。例えば「野草を食べる」など。水辺だよりは現状のままでいい。基本的には文章は少ない方がいい。モニターは女性ばかりに、もしくは学校教員にしては。

山田さん

水に対しては非常に意識を集中しながら生活している。水のセミナーを毎週水曜日に開催「水を汚さない、昔の水に戻す」という活動をしている。

松村さん

大分川をきれいにする運動を、電波や実践を通して実施。川隣丸という足漕ぎのボートをつくって川の観測や清掃もしている。このような活動を本誌でも伝えたい。

宮本さん

「雲仙100年の森づくり」で水の源になる森づくりを実施。また災害地の中の河川づくりに取り組んでいる。この本自体はすばらしい。

川野さん

「くまもと川の女性フォーラム」を立ち上げ活動。子どもたちを川に連れていくのに安全な川は? という問い合わせが多いので、対策を考えたい。

川口さん

生活に密着した水じゃないかという思い、お遊びじゃないという思いがこの何年間か強い。20代、30代、40代、50代の人の川への参加が必要。

山野さん

久しぶりに西田橋(甲突川に架かっていた石橋)をみた。家の近くにあり非常に思い出深い橋で、8・6水害のとき床上1.2mまで水に浸かり子どもたちは大はしゃぎでその中を泳ぎまわった。本誌はいい意味で贅沢な冊子、状況が厳しい中でこんな冊子があってもいい。写真とイラストと付録が充実し、写真の川の表情と人の表情が素晴らしい。

天本さん

リバーナースとして、あしかけ10年活動。若い女性、今から母親になる人たちに働きかけている。

カラフルで写真がきれいなので、写真をあまり小さくしないでほしい。

全体の意見

  • 九州の川紀行の本文は、文字が多く少し堅苦しい感じがする。
  • 夏号の付録のマップは非常に良かった。好評だったものは、さらにいい情報を提供。
  • モニターのページがあってもいいのでは。など議論百出、またその他のご意見も数多く出た。
    課題は今後、ひとつひとつ編集部で検討し本誌に反映する予定。モニターのみなさま、どうもありがとうございました。

天本 豊子さん(福岡県)

活動団体/主に河川における市民活動に参加

  • 水辺環境、自然観察、川の景観など、多様の環境問題を含めた学習会や、河川の現地調査、川を基点の町の魅力づくりワークショップなどにも参加。
  • 水環境シンポジウムに出席し、多くの人々から学び、広い視野からの河川環境の認識を深めています。
  • リバーナースとしても子どもや女性たちと、川を理解しながら川の中に入り、川の清掃や水生生物、植生などに日頃から親しんでいます。

美しい川や水辺環境には、人々は関心を強く持ち、特に子どもたちはきれいな水に興味を持ち、生態系にも強い関心を示します。人々は、水量や水の流れの動きにも大きな関心を示します。現代は、親水施設などをつくる機関に、いろいろと問題を提起するほど関心度の意識も向上しています。問題提起のときには、多くの話し合いが持たれていると思いますが、親水護岸や、水辺の景観など考え造るときにも、個人、行政、それぞれが互いに認識しあい、尊重し、社会一般に理解されるという基本を配慮して、目的に近い「よいものづくり」がなされるよう願っています。私どもも国の施策を理解して、ナビゲーションの視点で協力を惜しみません。自然災害の川の歴史や、川事業が施されてきた変遷を認識、理解しながら、プランナーの気持ちで「よいものづくり」に参加しています。よりよい河川環境を目指し、親水施設の事業など機関の機能の発揮を望んでいます。

川野 由紀子さん(熊本県)

活動団体/くまもと川のフォーラム

  • 流域探訪(平成13年10月27日)球磨川河口から溯るバスの旅。日本三大急流の一つ球磨川の魅力を再認識しようと企画、流域の住民に呼びかけて40数名で探訪。球磨川の河口八代市のスポーツ公園にあるせせらぎ水路を見た後、車上から遥拝堰を見学、次に荒瀬ダムを視察、魚道を溯る小さな魚に一同感激の声をあげました。流域には石橋も多く、小崎眼鏡橋・一勝地橋・石水寺門前眼鏡橋を渡り、美しい姿をカメラに収めました。また、川沿いの球泉洞を奥深くまで探検し、ひんやりとした鍾乳洞に感激しました。車中では国土交通省の方から115㎞の球磨川の概要やダムや堰、瀬や、形のユニークな岩などの説明を受けました。天候に恵まれ、球磨川下りの船にも手を振るなど川を終日楽しみました。
  • 石橋めぐり(平成13年11月1日)平成12年に引き続き石橋めぐりを実施。今回は熊本市内と緑川流域の石橋を見学。石橋インストラクターの井澤さんの案内で、まず熊本市内でもあまり意識して見ることの少ない明治8年、明治9年に架けられた明八橋、明十橋を見学。緑川を溯って姿の美しさで知られる二俣橋や霊台橋などを橋の上や川辺から見学。放水で有名な通潤橋は漏水のため修復工事中でしたが、工事中の橋の内部を間近に見て説明をしていただきました。近くにある肥後の石工のが残した石垣も見学。熊本には江戸時代に架けられた石橋が多く残っており、次回は別の川沿いの石橋を見学したいと、多くの希望が寄せられましたが、大型バスが通れないところが多いため、多くのニーズにすぐに応えられず懸案事項です。石橋を愛で、石橋に触れ、その価値と魅力を堪能しました。

(1~4月)
毎月第三水曜日
定例学習会(水を楽しむ会)
(3月)
流域の味めぐり予定

鹿児島でのモニター会議では、皆様との意見交換ができて、有意義な会議でした。

松村 紅実子さん(大分県)

活動団体

南蛮文化と大友宗麟を学ぶ会

ふらんしすこ

NPO豊の国建設倶楽部

平成13年の活動

8月 「大友河原市」を大分市内遊歩公園で開催。かつて450年前の町名をつけたブロックで。

9月 山国川河口を「かわりん丸」で清掃

11月 山国川の分水嶺を歩くツアー

12月 山国川「ポイ捨てない宣言」アキ缶拾いで、山国川沿線を47キロ歩く、冬の恒例行事

川関係イベント情報/春「大友河原市」大分川で開催予定(未定)

操作室見学(遠賀川河口堰)

ダム探検隊(監査廊見学)竜門ダム

ダム湖探検ツアー(緑川ダム)

この旬間中には、北は北海道、南は沖縄まで200カ所以上のダム・堰や森林を会場としていろいろなイベントが行われます。全国のメイン行事としては関東地方整備局の宮ヶ瀬ダム(神奈川県)において「全国森と湖に親しむつどい」が開催されます。今年は統一テーマを「水と緑と心のハーモニー」として、各種行事及び広報活動等を積極的に実施します。

九州地方整備局では、直轄管理6ダム(緑川ダム、松原・下筌ダム、耶馬渓ダム、厳木ダム、竜門ダム〈平成14年度より管理〉)1堰(遠賀川河口堰)において、いろいろ楽しいイベントが盛りだくさんです。

昨年は、全国行事「森と湖に親しむつどい」が耶馬渓ダムで開催され、これら九州のイベントに約3万1千人の人が訪れて楽しんでいかれました。

今年の夏もダム水源地は大にぎわい。

読者のみなさん、水と緑のあふれる最寄りの会場で夏の1日を過ごしてみませんか。

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