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九州地方計画協会

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北川は、大分・宮崎の県境の山岳地帯にその源を発し、北川町で支川小川と合流し、延岡市の市街地で本川五ヶ瀬川と合流後日向灘に至る、流域面積587.4km2、幹線流路延長49.5kmの一級河川です。

北川は、平成9年9月の台風19号の出水により甚大な被害を受けたため、直轄区間4.9km、県管理区間11.7kmにおいて、激甚災害対策特別緊急事業の採択を受けました。

北川は、アユ漁やレジャーなど地域住民の憩いの場として親しまれており、また、希少な生物が多数生息する良好な自然環境が残された河川であるため、豊富な自然環境をできるだけ損なうことなく事業を進める必要がありました。

そこで、河川環境の専門の先生はもとより、地域住民のみなさんの意見をできるだけ反映した川づくりを行うため、地域代表の方にも参加していただいた北川「川づくり」検討委員会を設立し、工事の方針や手法について検討を行いました。

北川は、河道沿いに山地が迫り、河道の拡幅が困難なことから、従来より霞堤(洪水をある程度陸地側に導く構造の堤防)方式が採用されており、また、改修中だった築堤も8割が既に完成していたことから、従来の霞堤方式を踏襲した治水計画としました。

この計画で、被災時の洪水が堤防を越えないように流すためには、樹木の伐採と河川敷の掘削がどうしても必要となりましたが、環境への影響を最小限にするため、掘削については低水路を避け、高水敷(普段は水が流れない一段高いところ)を掘り下げることとし、樹木の伐採についても、魚付き林や水防林と想定されるものについては極力残すこととし、どうしても伐採しないといけない貴重な植物等については移植を行っています。

また、河道掘削や樹木伐採等による河床の変動や生物環境への影響の追跡調査を重ねながら、対処方法を検討しつつ、事業を進めています。

良好な自然環境が残る北川(的野地区)

一般公開方式で行われた検討委員会の様子

平成9年9月台風19号による出水状況

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