九州地方整備局において、平成12年に調査を実施した一級河川(20水系)の水質の状況は、平成11年と比べ、若干改善しています。近年の傾向を見ても改善傾向を示しています。これは、河川汚濁の指標であるBOD75%値※1における環境基準値満足地点の割合の経年変化が表している。
水質環境基準値満足地点数の割合と河川流量との関係を見てみると、各年の満足地点の割合は流量によって増減する傾向があります。
すなわち、一般的に汚濁負荷量に急激な変化がなくほぼ一定とすれば、それを希釈する流量が多いときは水質が良く、小さいときは悪くなると考えられます。
また、経年的な動向をみると、年間の変動幅はあるものの、BOD75%値は若干改善傾向を示しています。
これは、流域内における排水規制、下水道整備等の発生源対策、住民の生活排水対策、河川内における汚濁負荷の削減による水質改善が着実に進んでいると考えられます。
今後、更に水環境改善を進めていくためには、平成13年度より始まった清流ルネッサンスⅡによる緊急的・重点的な取り組みや水濁協等による啓発活動を広めていくことが重要と考えます。
※1 河川汚濁の指標であるBOD75%値とは、有機性の汚濁を表す指標として用いられる生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果(N値)を小さい方から順番に並べ、(0.75×N)番目の測定値のことであり、環境基準の達成状況を評価するためのものです。
たとえば、月1回の測定の場合、日平均値を水質の良いものから12個並べた時、水質の良い方から9番目(12×0.75)が75%値となります。