流域内には現在宮崎県内の半分にあたる約60万人の人が生活を営んでおり、文化経済等の基盤となっていますが、古来より台風の常襲地帯に位置しているため洪水による浸水被害が絶えず、内務省時代の昭和2年に直轄による改修事業が開始されています。
一方、大淀川流域は自然環境が保全されている箇所が多く、河川敷内の利用も盛んであることから流域住民のみならず観光で訪れた方々にも、憩いと潤いそして健康増進の場として貴重な環境空間を提供しています。
今回ご紹介する地区は、大淀川下流左岸の宮崎市市街部に位置し、観光ホテルが林立して大淀川とはリバーサイドパーク橘公園を挟んで近接していることから、観光宮崎の拠点ともなっており散策やジョギング等をしている人の姿が途絶えることがありません。
同地区は現在、特殊堤(堤体あるいは堤体の一部がコンクリートで築造されている堤防)の嵩上げを中心とした大淀河畔河川改修事業を実施していますが、並行して危機管理対策の緊急時の救援物資等輸送路確保のため、同地区を中心に上流側は高水敷道路、下流側は河口部まで舟運施設による整備を進めています。
この舟運による救援物資等の積み卸し場である舟着き場は、同地区の上流端である宮崎市役所下の高水敷部に建設を進め、平成12年3月には完成しましたが、施設の建設は新聞やテレビでも大きく取り上げられました。
また、施設は平常時においては一般市民や観光客の人たちの利用も可能であることから、利用についての意見を公募したところ観光船やカヌー、ボート等船遊びの離発着場として、あるいは体験学習の場として利用したらどうかという意見を頂く等、観光宮崎の活性化の一環として地域の期待は大きいようです。