イワナガ姫を祭る銀鏡神社の大祭で舞われる「銀鏡神楽」は、かつての焼畑と狩猟の米良の暮らしを今に伝える貴重な神楽。大祭は12月12日から16日まで、神楽は14日から翌朝15日にかけて三十三番が舞われる。三十二番の「シシトギリ」は狩猟の作法を色濃く残し、イノシシの通った足跡をたずねる様子を映したもの。16日には「ししば祭」が行われ、1週間の間に捕れたイノシシの頭が境内に供えられる。
山里の米良では「かりこぼうず」の伝説が残る。ときにはいたずらをする自然のアイドル、知恵も力もある山の神様だ。姿は河童に似ており、春の彼岸から秋の彼岸にかけて水の中に住み、秋の彼岸から春の彼岸にかけては山に住むという。水に住むときは「ガッパ」と呼び水神として祭り、山に住むときは「かりこぼう」とか「かりこぼうず」「やまんたろう」と呼び、山の神様として祭った。