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九州地方計画協会

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岩岳川は、英彦山山系の犬ヶ岳に水源を発し豊前海に流れ込む、その名のとおり河道内に大岩や転石が非常に多く見られる河川です。

その大岩や転石で、瀬や淵が形成され生態系、とくに魚類にとって有益な生息環境が醸し出されています。

また、河畔林、求菩提山岳宗教ゆかりの神社、仏閣や治水事業の遺跡等が数多く点在する歴史・風土・文化に重要な位置を占めてきた河川でもあります。

近年、治水目的の河川事業により合理・利便的に変化した河川環境を、かつての自然豊かで美しい川に復活させる川づくりが求められ、岩岳川は、平成9年9月に地域住民による「岩岳川川づくり懇談会」を発足させ「岩岳川川づくり計画」を策定しました。

その中で岩岳川では、整備計画として全河川区間より、豊かな自然が残る場所、公園として楽しめる場所、神社仏閣に接する場所、かつての治水事業など歴史を感じさせる場所等20地点をリストアップし、うち代表7地点においては、約5年間を目標に整備を図ることとしました。

工事に際しては、地元住民、自治体はもとより「岩岳川川づくり懇談会」のメンバーによる意見を取り入れ、実現可能な合意形成を図りました。

この代表7地点のうち平成10年度に、河口より約6km付近に位置する、かつては子供達の水遊び場であった、『関庵渕』の復工に着手し同年度に完成しました。

工事内容は、より自然の形に近づけるため、現地の自然石で護岸を施工し水衝部以外は、空積として水際の多孔質化を図ることにより水生生物の生息環境の確保をめざしました。治水を考慮のうえ、かつての子供達の水遊び場を想像し可能な限り土堤を取り入れ芝生を植生、現地の樹木を残存し、うるおいとやすらぎを与える空間を創造しました。

また、河床には、現地の転石を設置して瀬と淵の復元を図り、魚類が生息できる環境づくりに努めました。

工事完成後は、近辺の小中学校や親子連れが水辺観察や水遊びの場として頻繁に訪れており事業の効果が発現されております。今後も多くの人々が訪れ、やすらぎと郷愁を感じていただけるものと思っています。

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