一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        

坪井川流域八景水谷湧水公園
流域校区の小学校の先生への校外環境教育指導(自然の中の素材探しとテーマづくり)

白川流域住民交流センター
親子参加のトンボ・メダカ池ビオトープづくり

白川流域住民交流センター「白川わくわくランド」
親子流域探険隊による発表会
(白川・菊池川・緑川・球磨川の四河川探険隊員の体験発表)

2000年6月4日
白川の川岸に完成した白川流域住民交流センター「白川わくわくランド」(左手は国土交通省熊本工事事務所・白川出張所)

水源を湧水に発し、熊本市街地を貫流、二級河川の井芹川と合流し、以下ほぼ一級河川の阿蘇の白川と並行して有明海に注ぐ流路延長24キロの二級河川の坪井川がある。

平成8年3月、この坪井川に、ある事業所のボイラー事故による重油約四千リットルが流出。その重油交じりの水が魚の鰓に付着して酸欠状態に陥った大量の野鯉が水面に浮き瀕死の事態が発生した。

知らせを受け、私は土手の野次馬を押しのけて、思わず鯉の口と鰓を下顎の操作で開け、人間同様”マウス・ツー・マウス“。鰓から重油を吹き飛ばし、体長約80㎝から小さいものまで約250匹を蘇生させることができた。

このとっさの救出で、河口域までの魚の被害はまったくなく、日頃の生きものへの探究心と、己の川への思いを改めてこの体験から実感でき、感激ひとしおであった。

県内各地の河川の人々や生きものたちと関わり続けている中で特に阿蘇に源を発し、県都熊本市の中心部を貫流して有明海に注ぐ都市型一級河川「白川」に昨年6月、オープンした白川流域住民交流センター「白川わくわくランド」を紹介しよう。

(川を知り川に親しむ交流センター誕生!)

白川流域に住む人々を中心に子どもから大人まで、だれもが「川と共に生きることの大切さを楽しく学べる施設」として国土交通省熊本工事事務所・白川出張所の隣に建設された「白川わくわくランド」は、イメージキャラクターの「ドンカッチョ」と同様にオープン以来、たくさんの人々に親しまれ活用されている。

管理は国土交通省、企画・運営は「白川流域住民交流センター利活用懇談会」が担い、その構成は学校の先生や、隣接する子飼商店街の人々、川での実践活動の代表の人々等流域住民主導である。私もその構成委員として助言や提言とその実践に力を注いでいる。

白川での「カヌー教室・水魚・水生昆虫観察」やトンボ・メダカが育つ「ビオトープの池づくり」そして「夏休み自由研究教室」や「星空観察」。更に白川の上流の水源地巡りツアーや加藤清正公の治水ナゾ解きツアーなど多彩に企画、実施し、指導もメンバーで行っている。この様に交流センターのコンセプトである川の学校「平成の寺子屋」のメニューを通じて、上流・下流から子どもも大人も集い、語らい、学べる交流活動が始まっている。又、それ以外にも流域の学校の授業の一環や先生たちの研修やPTA活動としての施設の活用も川とのつながりを深める場となっている。今後は、子どもたちが水辺に下り、魚を捕ったり泳いだりして人々が川遊びを楽しむ光景がこの白川であたりまえに見られる日をめざして、ますます身近になる水辺空間となるよう、21世紀の川の学校「平成の寺子屋」は住民本位の安全で親しみある水辺づくりへの思いを期待させる存在となるだろう。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧