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九州地方計画協会

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武之橋の流出状況

鹿児島市竜ヶ水地区の崖崩れ状況

甲突川の出水状況(護国橋下流付近)

鹿児島市草牟田付近の浸水状況

鹿児島市小山田の護岸決壊状況

鹿児島県は、九州南部に位置し、台風の常襲地帯で、梅雨期の集中豪雨等に加え、県土の大半がシラス等の特殊土壌に覆われているなど厳しい自然条件下にあり、毎年のように浸水被害を繰り返しております。

中でも、鹿児島市の中心部を流れる甲突川では、明治16年以降(1883年)、日雨量200m/mを超えた水害が12回発生しており、昭和11年(1936年)には、家屋1万戸が浸水する水害が発生しています。

また、記憶に新しい水害が平成5年(1993年)の夏に起きた「8.6豪雨災害」です。

8月6日、前夜から降り続いた雨は未明から激しさを増し、午後になると一段と雨足は強くなり、「100年に1度の豪雨」と称されるような記録的な豪雨となりました。このため、鹿児島市内を流れる甲突川、新川、稲荷川の3河川が氾濫して、天文館やJR鹿児島中央駅(旧西鹿児島駅)周辺等の広い範囲で浸水しました。

特に甲突川と国道3号が併走している草牟田付近では国道が約2m冠水し、道路はさながら濁流の流れる川と化しました。さらに、1845年の創建以来、長年親しまれてきた甲突川に架かる五石橋のうち新上橋と武之橋が流失しました。

また、県内最古の石橋と言われていた稲荷川に架かる実方太鼓橋も流失しました。

この夜、鹿児島市内では約12,000戸が浸水し、市民4,000人余りが58カ所に設置された避難所へ避難しました。

また、鹿児島市小山田で国道3号が大きく陥没したのをはじめ、随所で崖崩れも発生し、中でも鹿児島市竜ヶ水地区では国道10号沿いの崖が4kmの区間で22カ所にわたり崩壊し、通行車両1,200台やJRの列車乗客、地域住民など約3,000人が完全に孤立し、官民一体となった海上からの救出活動で救出されました。しかし、この豪雨により鹿児島市内では一夜のうちに46人もの人命が奪われ1人が行方不明となりました。

このような被害を受け、甲突川では災害復旧対策として、「河川激甚災害対策特別緊急事業」等を導入し、平成12年3月に全ての工事が完了しました。

鹿児島県では、豪雨災害の教訓を踏まえ、災害の再発防止、環境面への配慮等を行いながら早期完成に努める一方「河川情報システム」「土砂災害発生予測情報システム」「道路情報総合システム」などのソフト対策を新たに整備しました。今後とも、「安心・安全な郷土づくり」を重要施策の一つに位置付け、ハード整備とソフト対策が一体となった総合的な災害防止対策推進に努めるとともに、うるおいのある水辺整備に取り組んでまいりたいと思います。

天文館付近の浸水状況

鹿児島市樋之口町の浸水状況

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