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最近想うこと
藤本聡
最近、マスコミ等で「ドローン」がしばしば登場するようになった。今年4月に首相官邸屋上に侵入した事件、同年1月に米国ホワイトハウス上空を飛行した事件、などどちらかというと悪いイメージを伴って登場している。このドローンとは、英語のdroneのことで、研究社新英和中辞典によると、①(ミツバチの)雄バチ ②のらくらもの、いそうろう ③無線操縦の無人機 とある。Newsweek の6.16号では、ドローンの特集を組み、「人類に迫り来るドローンの時代」さらには「ドローンに対する関心の根底にあるのは、私たちの生活を激変させる可能性を秘めたテクノロジーへの興味と不安」と紹介されている。この不安にあたる事件が最近ニュースとして大きく取り上げられ、多くの国民がドローンという飛行物体に関心を持つようになったのである。

しかし、私も含め大部分の人たちが「ドローン」という名称自体を知らなかった時分からドローンは黙々と活躍していたのである。例えば、1990年の北海道有珠山の噴火に際し噴火口付近の状況を空撮したり、東日本大震災で福島原発の被災状況を空撮したり、と災害現場での事例をはじめ、多くの実績を重ねていたのである。そういえば、最近の冬季オリンピックのスキー滑降競技の写真で隅っこに何か得体の知れない飛行物体が映っていたなと思い出された方も多いのではないだろうか。

ところで、最近、アマゾン・ドットコムやグーグルがドローン配送の研究を進めているという。国内においても、「地方創生特区」の制度によりいくつかの自治体で物流の活用を試行してみる動きがある。どうやらこれから近い将来、私たちの身近な生活空間にまでドローンが飛行するようになるのだろうか。現時点の技術レベルでは、最新の機種でさえ事故率は1%を下回らないという。街を歩いていると突然上空から何キロもするような物体が落下してこないだろうかとつい想像してしまう。確かに、これまでの歴史を振り返ってみると、20 世紀初頭に米国でT型フォードが登場しいっきに自動車社会が出現した時、20 世紀末にIT(インフォメーション・テクノロジー)により広くデジタル社会が到来した時、など新たな技術革新によって社会が大きく変革した際には新たなリスクも生じていたが、それに対応した規制策なども講じられ、新技術と共存した社会がどうにか維持されてきたわけである。そのように考えると、あまりマイナス思考ばかりを働かせてもいけないのかもしれない。

話は、3次元空間から地上での現実の風景に変わる。最近街なかを歩いていて、両耳にヘッドホーンを装着した人が自転車走行している場面に遭遇し、ハッとしたり腹立たしい思いをした方も多いと思う。もう最近では、両耳にヘッドホーンを装着し完全に外界と遮断した状態で平然と雑踏を歩いている人に遭遇するのも珍しくない有様である。ソニーのウォークマン1 号機が発売されたのが今から約36年前の1979年。当時の仕様を調べてみると、当然ながらアナログ時代のカセットテープ方式で、単3乾電池2個を電源とし、これを含め重量が390グラムとなっている。それから各種の小型音響機器はデジタル化という潮流によりますます小型軽量化し、移動時のツールとしても広く普及している。先に述べたドローンがこれからどのように普及していくか、わからないが、私たちの身近な生活空間で安全・安心を脅かすことがないよう強く望みたい。

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