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技術士(二次)合格の心がけ
~長く良き技術者人生を目指して~

国土交通省 筑後川河川事務所
 工務第一課 工務第二係長
羽 田 史 郎

1 はじめに
私が初めて技術士受験を決意したのは,7年前の30歳の時でした。受験動機や専門知識,仕事の取り組みも甘く,二度筆記試験で失敗しました。
今,行政技術者の技術力低下や,地域住民に対して技術的な説明能力が求められる中,設計施工業者と“技術的”に対等な立場で仕事を進めたいと思い,5年のブランクを経ての再挑戦でした。
今後受験される方の役に立てればと思い,私の体験で感じた心がけを少し述べさせてもらいます。

2 受験勉強の心がけ5ケ条
① 時間に貪欲になる
“時間をつくる”これが一番の課題でした。
無念にも不受験,不合格された方は共通して言われます。“忙しくて勉強時間がなかった”
受験者は,年齢的,立場的に仕事に追われます。しかし,人と同じことをやっていてはいつまでも難関試験を突破できません。朝5時起床し出勤までの2時間,昼休みの1時間弱,車内の移動時間など,夜できなくても4時間程度は十分確保できます。5時に起きれない? 心がけ次第です。

② 正しい技術論文を書く
格の正しい文,事実と意見の区分,読み手を疲れさせない文など,正しい形式で技術論文を書くことは基本中の基本です。基本をマスターしていない方は,早い段階で市販書を一読して下さい。
また,自分の論文表現の悪い癖に早く気づくことも重要です。

③ 経験論文に求められているものを心得る
経験論文に求められているものは,高度な業務に従事したことではありません。身近な業務で十分です。重要なことは,“あなた”がどれだけ苦労して問題の解決を見い出したかです。マニュアルどおりで解決できない問題など,真剣に仕事に取り組んでいれば題材はいくらでもあります。
試験官は,あなたが掻いた汗の量を採点します。

④ 良き指導者を持つ,手で覚える
書いた論文を,先輩技術士だけでなく技術に関係ない人にも読んでもらい,客観的評価を受けることです。私は,佐賀の様々な技術士で構成される「技術交流フォーラム」で6ヶ月間徹底した指導を受けました。
また,論文はワープロでなく,最初から手書きで何度も修正することを勧めます。手が覚えます。

⑤ 参考書は自腹を切る
受験勉強に参考書は必需品です。お金もかかります。職場から借りたり,知人のコピーを取られる方がいますが,白書一つにしても自腹を切ることです。悲しいもので,自腹を切った本は元を取り戻そうと必死に読みます。

3 おわりに
今年は筆記試験まであと2週間です。今は寸暇を惜しみ必死で覚えること,ひねられた問題が出題された時の対応を考えることも重要です。
また,技術士は資格を取ることが目標ではありません。私自身,これから始まる何十年という技術士人生のスタート地点に立ったにすぎません。
今後受験を考えられている方も,長く良き技術者人生となる様,早い年齢での決意を勧めます。

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