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技術の新風を九州から
一般社団法人 建設コンサルタンツ協会九州支部 支部長
福 島 宏 治

生産年齢人口の推計値によると建設産業就業者数も減少並びに高齢化が進行して、次世代への技術承継と効率化が喫緊の課題となってきています。脆弱な国土と厳しい自然条件下にある我が国において、国民生活の安全・安心を支え持続可能な国土形成と発展を行っていくためには、建設技術全般の絶え間ない革新と他の科学分野との連携が、従来にも増してより大きな要請事項と言えます。また、産業としての社会的意義と重要性・魅力・革新性・永続性の戦略的な広報活動も「担い手確保」のために官学産が協同して取り組むべき課題です。
建設コンサルタンツ協会九州支部は、国内最大規模の支部会員会社数を擁して、平成30 年に設立50 周年を迎えるまでに発展してまいりました。関連諸学会や団体との連携、会員有志の発案でスタートし15 年目となる一般公募によるまちづくり提案の「夢アイデア事業」等、常日頃の活動はもとより、1 年半前の熊本地震においては、個別会社の枠を超えた連携により復旧・復興のご支援をさせて頂いてまいりました。
支部では、建設分野における生産性革命の現場で直接事業活動を行う業界団体として、分断的技術の現場利用ではなく、第4 次産業革命と呼ばれる総合的技術群を連環し、いわゆる情報粘着性を下げて、実際のフィールドで実践していくことが業界全体の未来につながると確信して、多くの専門部会や各県に設置した県部会を中心に活動しています。
世界経済を牽引してきた大国の内向き志向が目立つ昨今ですが、企業活動そのものは既にグローバル化し、技術革新も国家の垣根を越えて大きく動いています。その中でも、重要な未来への「ゲートキーパー(門番)」として、建設産業が存在していると常に意識できます。そして、本書に紹介される最新建設技術の開発情報が産業の高度化と強化の大きな助けとして輝きを増しています。建設産業は、まさに技術の集積産業であり、人々が受けるべき共通資本としての社会基盤、自然環境、文化等を含めて関係する職業的専門家集団により構成されているという特徴があります。平時における私企業としての技術・技能の装備と、災害時における企業レベルを超えた産業としての、更に言えば建設人としての倫理観にもとづくプロとしての集団行動を常に意識し準備しておくことが必要であり、非常にやりがいのある職業です。
言い換えれば、同質的競争と社会的機関としての協業が可能な柔軟な専門家が集い、九州という地理的な近接性を活かして、地域に暮らす人々の生を守り、育み、予想されるリスクを特定し、レジリエンスの向上を図ることが、我々の大きなモチベーションであり、職業人としての幸福感の源泉でもあります。
今後とも優れた建設技術の研究開発の推進を期待し、業界団体としても、「技術の新風を九州から全国へ」という想いで、会員各社協力した取り組みを推進してまいります。

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