一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        
「世界・焱の博覧会」と建設技術に関するパビリオン

佐賀県土木部企画指導課
 主査
野 口 幹 展

1 はじめに
佐賀県では,古くから諸外国との交流を通して豊かな「やきもの」文化が育まれてきました。
この佐賀県で,平成8年に「国際陶芸アカデミー(IAC)」の定期総会が開催されるのを好機に,九州では初めてのジャパンエキスポの認定を受けた「世界・焱の博覧会」を開催します。
この博覧会は,我が国における磁器発祥の地,有田地区を主会場とし,「燃えて未来」をテーマに「やきもの」を通して「人」と「自然」と「技術」の新たな関係を模索・展望し,日本各地・世界との交流をはじめ,未来へ飛躍する地域の創造を目指しています。

2 「世界・焱の博覧会」の概要
(1)名称:
  ジャパンエキスポ佐賀’96 世界・焱の博覧会
(2)テーマ:
  「燃えて未来」
(3)サブテーマ
① 自然を愛し,風土を生かす技術を創る
 “技術”と“自然”の共生
② 心豊かな暮らしを求め,匠の技を伝承する
 “もの”と“こころ”の共生
③ 歴史に学び,未来を創造する
 “伝統”と“未来”の共生
④ 地域を愛し,世界と交流する
 “地域”と“世界”の共生
(4)主催:
  「世界・焱の博覧会」実行委員会 (会長/佐賀県知事 井 本 勇)
(5)会期:
  平成8年7月19日~10月13日(87日間)
(6)会場
 ◎主会場
  第1会場:有田地区会場
  第2会場:九州陶磁文化館(有田町)
 ◎吉野ケ里サテライト会場
 ◎地域サテライト会場
  佐賀県(佐賀市,唐津市,伊万里市,武雄市)
  福岡県(福岡市,小石原村,赤池町)
  長崎県(佐世保市ハウステンボス町,佐世保市三川内地区,波佐見町)
(7)目標入場者数:
  120万人

3 建設技術に関するパビリオンの出展
(1)背景と主旨
21世紀を目前に控え,我が国では「活力ある美しい国土の創造」を目指してさまざまな取組がなされていますが,成熟社会の到来とともに,住民のニーズも多様化し,環境・景観・文化・福祉等を考慮した,より質の高い住宅・社会資本の整備が求められています。また,近年の普賢岳災害,阪神淡路大震災,猛暑による水不足などを機に社会資本の整備に対する住民の関心は,より大きなものとなっています。
このような社会情勢の中で,国民生活の礎である住宅・社会資本の今後の在り方と,整備の重要性を広く啓発し,その円滑かつ計画的な推進のため,多くの住民の理解と協力を深めることを目的として「世界・焱の博覧会」に建設技術に関するパビリオンを出展することにしました。
(2)地域イベント推進事業としての取り組み
建設省の地域振興プロジェクトの一つである「地域イベント推進事業」として「有田窯業圏地域イベント推進実施計画」を策定し,平成7年2月16日に建設省から認定されました。このプロジェクトは,地域において実施される相当規模のイベントを契機とした地域振興を図るため,概ね5年間を目途に圏域内の建設省所管事業を推進するとともに,企画・出展に対する支援を行う地域計画であり,これにより,パビリオン出展の裏付けができたことになります。
(3)パビリオンの概要
① 館名:くらし・万華鏡館
② テーマ:大地と技術のハーモニー
③ コンセプト:「インフラとの出合い。ふれあい」
       一見えないインフラを可視化する一
④ 出展者:「世界・焱の博覧会」建設技術出展実行委員会
      (会長/九州地方建設局長)
構成団体/建設省九州地方建設局 佐賀県 日本道路公団福岡建設局 日本道路公団福岡管理局 水資源開発公団筑後川開発局 地域振興整備公団九州支部 地域振興整備公団鳥栖都市開発事務所 佐賀県住宅供給公社 佐賀県道路公社 ㈳九州建設弘済会 ㈶佐賀県土木建築技術協会
⑤ 出展内容
暮らしや経済の礎となっている住宅・社会資本の重要性を,自然やくらしとの関わりから,楽しく解りやすくアピールしています。
[パビリオン]
“おもちゃ箱”のイメージで構成されたパビリオンは,実際に使用されている建設資材等を利用した外観や屋外に設けたイベント広場により,建物自体が驚きと楽しさを表現しています。
[展示ホール]
ここでは,身近ゆえ見えにくいインフラを“くらし”という切り口で,広域から家庭に至る立体イラストや光の流れなど様々な展示手法を組み合わせて表現しています。道路や河川の整備が,暮らしとどのように密接に関わっているかを,子供からお年寄りまで解りやすく,楽しく御覧いただけます。
[カレード(万華鏡)・シアター]
地球をイメージする巨大な仮想空間「カレード・シアター」では,素晴らしい自然と,安全で快適な生活を陰で支える社会資本との共生を,カレード(万華鏡)というユニークな手法により,約120台のマルチモニターと特殊なデイスプレイを用いた映像立体音響,演出照明を組み合わせて表現し,驚きの異次元体感を提供します。空間演出テーマは「大地と技術の共生」。まさに,万華鏡の中に入ってしまったような不思議な空間は,博覧会ならではの未来感にあふれた体験ができます。

4 おわりに
世界・焱の博覧会の開催が,県政の目標である人と自然と歴史の交響楽シンフォニーが奏でる「住みたい県日本一」の実現の一つの契機となることを期待しています。皆様の御来場をお待ちしております。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧